9月3日は「秋の睡眠の日」。ESSE onlineで今まで紹介した睡眠にまつわる記事のなかから、反響の大きかったものをまとめてご紹介します。

9月3日は「睡眠の日」。眠れない人に試してほしい対策

「寝ているはずなのに疲れがとれない」「うまく眠れない」などの悩みを抱えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

●50代からの寝室になくてもいいもの5つ

「寝室にものがたくさんあってごちゃごちゃしていると、視覚的ノイズが増え、安眠を得られません。このさい、普段使っていないものは徹底的に取り除きましょう」と話すのは、カナダ在住のミニマリスト・筆子さん。

筆子さんが「捨てていい」と言う寝室まわりのグッズは以下です。

1.多すぎる枕と枕カバー

古い枕はカビやダニの温床になります。

2.パジャマ・ガウン

洗い替えをすることを考えて、春夏用が2着、秋冬用が2着あれば、十分。

3.本・雑誌・新聞

ベッドや布団の中では睡眠に関係ないことをしないほうがよく眠れます。寝床イコール眠る場所、と脳が関連づけるので、布団に入ったあとすぐに眠れるようになる、という理屈です。

4.枕元にある細かいもの

眠れないからといろいろ快眠グッズを買い込む人がいますが、寝る場所にごちゃごちゃものを置かないほうが、結果的によく眠れます。

5.余分な寝具やタオル

毛布やタオルケットは、お歳暮でもらうことも多く、知らないうちに増えているかもしれません。でも管理や収納の手間を増やしているだけなら、処分しましょう。

●「寝つきがいい人」はむしろ要注意な理由

そもそも、なぜ睡眠が大切なのでしょうか。じつは、日本の50代女性の睡眠時間は世界的に見ても短いことが判明しています。

日本睡眠教育機構 上級睡眠健康指導士の長岡希実さんは「2015年のNHK国民生活時間調査報告によると、日本人の睡眠時間は欧米のどの国よりも短く、国民全体平均で平日7時間15分となりました。なかでも50代女性の睡眠時間がもっとも短く、平日平均6時間31分と国民平均より44分も短くなっています」と語ります。

「慢性的な睡眠不足が続くと、週末に『寝だめ』をした程度では蓄積された睡眠負債は解消しません。そんな状態で横になり目を閉じたら、一気に睡眠圧が押し寄せて睡眠世界に引き込まれてしまっても無理はありません。実際、『どこでも眠れます』『布団に入ったらすぐ眠れます』という人は、ほとんどが睡眠不足である場合が多いのです」(長岡さん)

睡眠不足は仕事や勉強の能率を低下させるだけでなく、生活習慣病やメタボリックシンドロームと深く関係しています。だからこそ、なるべく睡眠時間は優先して取る工夫が必要なのです。

●自律神経を整えるためにできること

よい睡眠のためには、自律神経を整えることが重要です。医師の久手堅司さんに聞いた自律神経のバランスを整える方法をご紹介します。

・眠る1時間半〜2時間前に入浴する

入浴後90分〜2時間ほどたつと深部体温が下がり、同時に眠気が促されてノンレム睡眠と呼ばれる深い睡眠につきやすくなります。また睡眠中に体温調節がしやすいよう、靴下は脱いで布団に入りましょう。

・バランスのよい食事前提で補給を

必要な栄養素は食事でとることが理想的ですが、難しい場合はサプリメントで補うのも手。ビタミンA・B・C・E、カルシウムのほか、GABAやテアニンがおすすめです。

・笑いや涙は自律神経を整えます

笑うことで交感神経から副交感神経にきり替わり、バランスも整います。泣くことにも同様の効果が。どちらにせよストレスが吹き飛ぶので、映画やお笑いの番組などで積極的に取り入れて。

・眠れない日は、眠ろうと頑張らずリラックスを心がけて

無理に眠ろうとすると逆に覚醒してしまう場合も。手をグーパーと握って広げたり、ゆっくり深呼吸すると副交感神経のスイッチが入りやすくなります。「〇時間寝なくちゃ」と決め込みすぎずリラックスする方が重要です。

●なかなかやせないのは「睡眠の質」のせいだった?

「睡眠」は「食事」、「運動」と並んでダイエット成功のカギとなる重要な要素です。
「睡眠時間が不足すると、せっかく食事に気をつけて運動に励んでも、ダイエットの成果が出にくくなってしまうのです」と話すのは、前出の長岡希実さん。

では、何時間眠ればよいのでしょう。じつは、この問いに明確な答えはありません。なぜなら、最適な睡眠時間は人によってそれぞれだからです。

「あなただけの最適な睡眠時間」を知るための方法として長岡さんが提案するのは、「睡眠ダイアリー」をつけること。つまり、眠くなったら床に入り、自然に目が覚めるまでの時間を一定期間記録してみることです。

「睡眠ダイアリーをつけるにあたって、特別な準備は必要ありません。メモ用紙とペンさえあれば今日から始められます。

記録を始めたばかりの頃は、起床時間や睡眠時間がバラバラでも気にしないでください。記録し忘れた日があっても構いません。気負わず、ラクな気持ちで2週間程度続けてみると、あなたの最適な睡眠時間がわかってくるでしょう」

起きたときに眠りたりない感覚がなく、日中に眠気を感じないようであれば、それが最適睡眠時間です。

●「寝落ちヨガ」で寝つきをよくする

「寝つけなかったのに、ストンと眠れた!」「イライラが収まってリラックスできた」など、ユーチューバーのMarikoさんの寝落ちヨガが話題です。

「不安を抱えていたり、疲れすぎていると、寝ようとしても心身の緊張が解けず、ぐっすり眠れないことも。そこで、寝る前の数分間、ゆっくり呼吸しながら寝落ちヨガを行って、リラックス。そのまま自然に眠りにつけば、睡眠の質が高まります」と、Marikoさん。

・やさしいウサギのポーズ

肩を上げて胸をぐっと広げるポーズ。肩や胸回りの緊張がほぐれ、呼吸が深くなってリラックス。パソコンやスマホを長時間使った日にも最適です。肩こり解消、呼吸機能を高める、リラックスなどの効果が。

1.正座をし、両手を後ろで組む

正座の姿勢になり、両手を後ろに回して指を組む。肩の前側と胸の広がりを感じ、ゆっくりと息を吸う。

2.おでこを床につけ、組んだ腕を上げる

ゆっくりと息を吐きながら、上半身を前に伏せておでこを床につける。組んだ腕は気持ちのいいところまで上げて伸ばす。そのまま1分を目安に腹式呼吸をする。

<Point>
床に頭頂をつければ疲れ目解消も! ベッドで行う場合は首を痛めないようおでこをつけますが、ヨガマットを敷いて床で行う場合、頭頂を床につけると、「百会(ひゃくえ)」というツボが刺激され、疲れ目解消の効果があります。