いずれは“世”界の“中”心へ ニューカマー・平本世中が好スタート(撮影:鈴木祥)

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<フジサンケイクラシック 初日◇1日◇富士桜カントリー倶楽部(山梨県)◇7541ヤード・パー71>
マンデートーナメントを5アンダーのトップタイで通過した平本世中(ひらもと・せじゅん)が、本戦の初日に6バーディ・1ボギーの「66」でまたも5アンダー。4位タイの好発進を決めた。
先週に優勝した河本力とは同い年の22歳。専修大学4年生だった昨年12月にプロ転向し、ファイナルQTでは36位に入った。レギュラーツアーは4試合目の出場で、6月に出た3試合はいずれも予選落ちに終わっている。
「6月に予選落ちが続いて、技術ではなくメンタルで試行錯誤してきた」と平本はいう。大学時代から指導を受けているメンタルコーチのアドバイスで「リズムが良くなってきたような気がします」。具体的にどんな指導を受けたのか聞くと、「今までは緊張しないようにしていたのを、緊張を受け入れるようにしました。緊張はとれないので、しょうがないかなと思いながらやる」と考え方を変えた。
また、「ボギーを打つと気持ちが早まって、歩くスピードが速くなったりするので、なるべく普段の自分に近づけるように。自分はそれまで速くなっていることに気づけていなかった。自分を知ることですね」と話す。自分がどういう状態かを客観的にとらえることが、好スコアにつながった。
「スイングは十人十色だから」と高校からはコーチをつけずに我流で技術を磨いてきた。参考にした選手を聞かれると「マキロイだったら歩き方とか、ボールにセットするまでに何秒かかるかとかを参考にしました」とちょっと変わった答えが返ってくる。「でもマネしたらちょっと違うなと思って、いまはしていない」とサバサバと笑う。なんとも不思議な雰囲気だ。
ちなみに本名は『セイチュウ』だが、呼びやすいように登録名は『セジュン』にしている。実際、ゴルフ仲間はみんな『セジュン』と呼んでいる。「僕は韓国とのハーフで、お母さんが韓国人。(世中という名前は)世界の中心で活躍できるように、という意味合いがあるらしいです」と教えてくれた。
本人は続けて「日本でも(中心になるのは)厳しくない? みたいな(笑)」とおどける。「ゆくゆくは世界で活躍できる選手になりたいと思っていますけど、まずは日本で活躍できる選手になってから」。その第一歩として、レギュラーツアーで初の予選通過を決めたいところだ。(文・下村耕平)
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