自律神経が整う人・整わない人の6つの生活習慣
夏の疲れが出る時期。夏バテ対策には、自律神経を整えるのが有効です。とくに、屋外は暑く室内は寒い、といった室内外の温度差は夏バテを引き起こす原因になるため、対策が必要。今回は、 医師の小林弘幸先生に室内外の温度差を抑える方法を教えてもらいました。
室内外の温度差からくる自律神経の乱れにご用心
屋外は猛暑なのに対し、室内では冷房が効いている夏は、室内外の温度差が大きい状態。
「体温調節機能をもつ自律神経が乱れやすくなるため、室内外の温度差はなるべく少なくすることが夏バテ防止のポイントです」。
●自律神経の乱れを整え、疲れない体をつくる
暑さによる夏バテに悩む季節。体調管理の要は自律神経だと、医師の小林弘幸先生は話します。
「自律神経は、内臓の働きや血液の流れ、体温調節などあらゆる生命維持機能をつかさどる重要な神経。これが乱れると体の機能が正しく働かず、さまざまな不調が起きるので、自律神経を整えることは常に大切なのです」
自律神経には心身を活動モードにする交感神経とリラックスモードにする副交感神経があり、両方がバランスよく働くのが理想的。
「通常、ストレスが多い現代人は常に緊張して交感神経が過剰に優位になりがち。ただし気温が高く、だらけやすい夏は、副交感神経が優位になり、だるさや眠気などが生じて夏バテの原因に。また、室内外の温度差によってバランスを崩すことも。これらに注意して自律神経を整えましょう」
自律神経が整う人・整わない人の生活習慣をチェック
室内外の温度差が自律神経を乱すため、普段の生活のなかで、温度差を少なくする工夫を。自律神経が整う人と整わない人の違いを紹介します。
●【服装】汗をかいたら…
整わない人:汗で濡れたまま冷房の効いた室内に
整う人:持ち歩いていたTシャツに着替え
汗のかきっぱなしは厳禁。まめに着替える習慣を
夏には着替えを持ち歩くのがおすすめと小林先生。「短い外出でも汗だくになりますが、汗で濡れた服のまま冷えた室内で過ごすと、体温調節をするため自律神経が乱れます。Tシャツなどを携帯し、室内では着替えるようにして」
●【運動】体を動かす習慣は…
整わない人:車移動中心で外を歩く時間が短い
整う人:毎日外に出てウォーキング
適度な運動を続けると自律神経が整う
冷房下で長時間過ごすと、外に出たときの温度差で自律神経が乱れがち。「ゆっくりと深い呼吸をしながら歩くなど、外で適度に汗をかく時間をつくりましょう。血流がアップして自律神経が整い、冷え体質の改善にも役立ちます」
●【冷房】温度管理は…
整わない人:常に20℃に冷えた部屋をキープ
整う人:26℃に設定して小型扇風機や冷感タオルも活用
冷房だけに頼らない温度調節が大事
冷房の設定温度が低い中でずっと過ごすと体が冷えきり、血流が悪くなります。また、外に出たときに感じる温度差も負担の原因に。「室温を下げすぎず、扇風機や冷感タオルなども使って、適度に暑い環境にも体を慣らしましょう」
●【食事】夏によく食べるのは…
整わない人:冷たいもの中心
整う人:温かい汁物
温かいものを食べて体の内側から冷え対策
夏は冷やし中華やアイスクリームなど、つい冷たいものを食べてしまう人も多いはず。「腸が冷えて血流が悪くなり、自律神経を乱して体を冷やします。みそ汁などの温かい汁物は、腸を温めて血流をよくするので、夏でも欠かさずに」
●【入浴】お風呂の入り方は…
整わない人:シャワーだけ
整う人:毎日湯船につかる
リラックス効果があり血流を促す入浴を
一日じゅう冷房の中で過ごすと体が冷え、血流が悪くなって自律神経が乱れます。「39〜40℃のお湯にゆっくりつかると体温が上がって血行が促され、冷えが改善。睡眠の質も高まって疲れがとれるので、暑くてもしっかり入浴を」
●【服装】足元は…
整わない人:冷房の中でいつもはだし
整う人:靴下を常備して冷えたら履く
足元を冷やさないように靴下を履いて温度調整
冷房の効いた部屋では、肌寒さを感じたら靴下やストールを身につける習慣を。「冷房の風に長時間当たると、血流が悪くなって体が冷え、自律神経の働きそのものが低下。靴下を履くほか、腹巻でおなかを温めるのもいいですよ」