福岡市の高島宗一郎市長(写真・時事通信)

 7月25日、福岡市は、九州大学の非公認サークル「九大CARP」が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と関係がある宗教団体であるとして、環境保全に貢献したとする2回の表彰を22日付で取り消した、と発表した。市の表彰実施要項には、表彰の対象から宗教団体は除く、と定められている。

「九大CARP」は2016年と2020年に、大学周辺でごみ拾い活動をしたことに対し、福岡市環境行動賞の奨励賞に選ばれていた。

 市によると、2022年7月上旬、SNS上でサークルと宗教団体の関連性を指摘する投稿が複数、あったという。

 7月26日の定例会見で、高島宗一郎市長は「賞を授与するときの、受賞者を選ぶときのチェック体制が甘かったということは言わざるをえない。宗教活動、営利活動に参加しているところは賞の対象にはならない。チェック態勢の強化を指示した」と述べた。

「『CARP』はCollegiate Association for the Research of Principlesを略したもので、もともとは『原理研究会』と呼ばれていたもの。表向きは旧統一教会とは別団体ですが、実際は非常に関連が深いと指摘されています。

 九州大に限らず全国の大学でサークルとして活動しており、ボランティアや地域貢献など、社会的にウケのいい活動目的で学生を勧誘するのは昔からの手法です。今の学生は、旧統一教会がらみの事件を知りませんし、『CARP』と名称が変更されていることから、旧統一教会を知る親の世代も、団体名から判断するのが難しくなっています」(社会部記者)

 福岡市が「九大CARP」の表彰を取り消したことに対し、実業家のひろゆき氏も自身のTwitterで、《福岡市、素早い》と対応を評価。一方で、SNS上ではある層から困惑の声が上がっている。プロ野球・広島カープのファンたちだ。

《広島カープファンからすると、この略称は止めて欲しい》

《九大CARP女子とか、普通に字面だけ見たらカープ女子なんかなと思っちゃうしアレ
広島県民の事配慮してくれよな》

《プロ野球の広島東洋カープファンとしてはカープのイメージ間接的に悪くする感じがするので名称変えて欲しい》

 旧統一教会の問題は、予想を超えた広がりを見せているが、今回の県は、広島カープにとってはとんだとばっちりであることは間違いない。