夏のお弁当を傷ませないポイント。ハムやちくわも加熱が大事
気温も湿度も上がる6〜10月は、食中毒のリスクが高まるシーズン。子どものお弁当はとくに気になりますよね。安心してお弁当を持たせられるよう、注意したいポイントを、料理家の上田淳子さんと日本防菌防黴学会の上田成子さんに教えてもらいました。
傷みにくいお弁当づくりのポイント【準備編】
気温や湿度が上がる梅雨や夏は、食中毒が増えやすい時季。理由は、食品に付着した菌が増殖するから。つくってから食べるまでの時間が長いお弁当は、とくに注意が必要です。
準備段階からしっかりと対策を行って、安心して食べられるお弁当づくりを始めましょう。
●まな板や包丁は60℃以上の湯で除菌!
食材についた菌が包丁やまな板に残っていることもあります。使い終わりは毎回洗剤でよく洗うのはもちろん、1日の終わりには、ヤケドに気をつけながら60℃以上の湯をかけて除菌することを習慣にしましょう。これで多くの菌が死滅します。
●正しく手洗い&調理中はポリ手袋着用
手についた菌は調理前に徹底的にオフ! 石けんをよく泡立て、汚れが残りやすい指と指の間、爪の間などはとくに念入りに洗い、親指のつけ根や周り、手首まで丁寧に洗い流しましょう。さらに、食材に触れるときは素手ではなくポリ手袋を着用して。
●お弁当箱はよく洗い、ときどき除菌を
お弁当箱はすみずみまでよく洗ったつもりでも、フタのパッキンの溝などに汚れが残り、菌が増殖することも! 毎回、細かい部分までしっかり洗い、数回に1回は塩素系漂白剤(※)を表示どおりに水で薄めてつけおき除菌がおすすめ。
塩素系漂白剤を使うときは表示に従い、必ずゴム手袋をはめ、換気扇を回しましょう。また、酢やクエン酸など酸性のものと混ざると有毒なガスが発生するので、絶対に混ぜないでください
傷みにくいお弁当づくりのポイント【調理編】
調理の際のポイントはしっかり加熱をすること!
●肉は小ぶりにしてしっかり加熱を
中まできちんと火がとおっていないと、食中毒の原因菌が残ることが。肉は中心まで70℃で1分以上の加熱が必要。ハンバーグやから揚げなどは、お弁当のときは小ぶりにするとしっかり加熱できます。
●卵は半熟NG!よく加熱して卵も加熱が甘いと、食中毒の原因となるサルモネラ菌などが残って繁殖してしまうことがあります。お弁当用の卵焼きはいつもより長めにしっかり火をとおしましょう。
●加工品も必ず加熱する
ハムやかまぼこ、ちくわなどの加工品は、生のまま食べられるもの、保存料が入っているものでも、常温で長時間おくのは危険です。お弁当に入れるときは、必ず一度火をとおして。
●生野菜やフルーツは別容器で
野菜は加熱調理し、水気をよくきってつめるのが基本。生野菜は水分が出て菌が増殖しやすい環境になるので避け、サラダやフルーツを持参するなら別容器に入れましょう。ミニトマトはヘタに雑菌が多いので、ヘタを除いてからよく洗って。
●“前日のつくりおき”や“冷凍したもの”はどうしたらいい?
ここで紹介している注意点を守ってつくり、冷蔵保存すれば、前日つくったものを朝そのままつめるだけでもOK。ただし、ゆで物やあえ物は水分が出やすいので、つくりおきは避けて。つめるときや持ち運びの注意点も守りましょう。
また、自分でつくって冷凍したおかずを、凍ったまま入れて自然解凍するのはNG。必ず再加熱してから冷ましてつめましょう。