のびのびと自然を満喫できる環境を求めて、岐阜県の自然豊かな里山にある古民家を28万円で購入。少しずつDIYリノベーションしながら、移住生活をスタート…。そんなご夫婦の日常生活を紹介します。オンラインで仕事をし、また、YouTuberとしての活動もしているおふたり。恵まれた自然やご近所さんとの交流などについて、語っていただきました。

築100年の古民家のDIYリノベーション、絶賛進行中!

ほっちさんとナナスさんの家 岐阜県
家族構成/夫31歳 妻29歳 犬2匹(まろ、プチ) ネコ1匹(べる)

⇒【動画】ふたりの日常生活

2間続きの和室の天井を抜いて梁を表しにしたリビングダイニング。年月を経た黒い梁は、ほっちさんのお気に入りです。木製フローリングに見える床は、愛犬が滑りにくいように敷いたクッションフロア。

 

ふたりが座っている部分に、将来キッチンをつくる予定。今は、配管の移動をすませたところ。キッチンは既存の面材を交換して、再利用を考えています。

 

DIYリノベーションをするにあたり、行政の過疎化対策で、県と村から合計80万円の補助金が出ました。工事費、材料費、工具代…と、リノベーションにかかる負担は大きく、経費はすぐに補助金の額を上回ってしまったそう。

 

「料理をしながら会話も楽しみたい」と、対面式キッチンを計画中。手頃な価格で購入した中古の薪ストーブでは、ちょっとした料理も。

 

 

リビングダイニングを新設し、ロフトを設置。今後は、既存のダイニングキッチンをほっちさんのワークスペースにし、洗面脱衣室と浴室をつくる予定です。キッチンと浴室が使えない現在は、キャンプグッズで食事をつくり、入浴は近くの温泉を利用しています。

 

 

大自然の中での暮らしは犬も人も毎日が笑顔に

岐阜県の東部にある東白川村。山々に囲まれた集落の一角に、ほっちさんとナナスさんの住まいはあります。

「地方移住は、愛犬まろのため。ボーダーコリーは運動量が多いので、自由に走り回れない街中での生活は不向きでした。まろにはとてもストレスだったようで」とほっちさん。

 

「空き家バンク」を使って見つけたのが、築100年の古民家でした。しかも売却価格は28万円。「価格はもちろん魅力的でしたが、なんといっても村の美しい景色にひと目ぼれ。ここなら、まろとぷちはのびのびと暮らせるなと思いました」(ナナスさん)。

 

そうして、住みながらDIY改修するという田舎暮らしがスタート。天井をはがして明るいリビングにし、以前の屋根裏の一部をロフトにしました。床を張り直し、壁と天井に断熱材を入れ、窓は中古の2重サッシに替えて…。現在進行形のDIYが、ふたりの日課です。

広い裏庭は、ドッグランと畑に。ご近所の方々にレクチャーを受けて、野菜を育てています。

 

「家の改修も農業も、まったくの素人。苦労と失敗ばかりですが、みんなに支えてもらいながら、楽しんでいます」とほっちさん。「ここで暮らしてから、温かなおつき合いに感謝するようになりました」とナナスさん。

DIYや畑仕事にいそしみながら、豊かな田舎暮らしを満喫しています。

 

標高1000m級の山々に囲まれ、清流のせせらぎが耳に心地よく響く東白川村は、人口約2000人の小さな村。「大らかなこの景色が大好きです」とふたり。

 

家の近くにある小川は、散歩コースの中でも、まろ君のお気に入り。「まろは最初、橋が怖くて渡れなかったんですよ(笑)」とナナスさん。

犬たちが喜ぶ環境は自分たちにも最高の場所

ほっちさんとナナスさんの1日は、愛犬の散歩から始まります。鳥のさえずりを聞き、季節の花を愛でながら、ゆっくりと歩を進めます。帰宅後は、体力有り余るまろ君のドッグランタイム。土の上を走り回り、最後は川で水遊び。そんな朝のルーティーンの次は、進行中のDIY作業や畑仕事。そうして夕方は、また愛犬の散歩です。

愛犬を気づかっての暮らしですが、夫妻にとって欠かせないのは、ご近所さんとのおつき合いです。家の改修を手伝ってくれた方へのお礼に、稲刈りやハゼかけをお手伝い。すると、そのまたお礼にと、収穫したての新米で夕飯をごちそうになり、釣ったアユを頂戴したり。時の流れがゆるやかに感じる村の暮らしを、日々全身で謳歌しています。

 

お手製のドッグランは、まろ君が思いきり走り回れる場所。ツクシやオオイヌノフグリがおおう地面を蹴って、ボールを追いかけます。

 

家の近くにある小川で、ドッグランで泥んこになったまろ君は水浴び。「長毛種なので、夏は涼を取ることもできる川遊びは、まろにとってすごく快適みたいです」(ナナスさん)。

 

散歩のフルコースを満喫したまろ君は、帰宅の足取りも軽やか。そんな姿を見るふたりも、幸せそうな笑顔。のんびりとした環境は、ほっちさん家族の幸せの源です。

 

薪や畑づくりは、近所の人たちに助けられて日々成長

薪ストーブ用の薪は、近所の方に譲ってもらうことも。薪割りにも、だいぶ慣れてきました。

 

「なるべくお金をかけたくない」と望んだDIYリノベ。薪ストーブは中古品を購入してコストダウンを図りました。「ふと思いついてマシュマロを焼いてみたら、これがすごくおいしくて」(ナナスさん)。思いがけない楽しみも発見しました。

 

畑づくりは、先輩移住者であるご近所さん夫婦に、レクチャーしてもらっています。この日は、土の耕し方、畝(うね)づくり、ジャガイモの栽培方法を教わりました。その横では、ナナスさんがツクシの調理法を伝授してもらい、それぞれに交流を深めています。

 

自給自足の生活を求めて移住したご近所さん夫妻は、ほっちさんとナナスさんのよき相談相手。「ここは楽園です」という先輩夫婦の思いが、ほっちさんたちに引き継がれています。

最近は消防団の誘いを受け、「助けてもらった恩返しができれば」と入団したほっちさん。ナナスさんは、ご近所さんと一緒に近くの神社を清掃しています。「日本で唯一寺がない」といわれる村にとって、神社は大切なより所。村人の一員として大切にしています。

着々と進むDIYリノベ。屋根裏にはロフトが完成!

夫妻のDIYリノベは日々進行中。ここでは、土壁をおおうように断熱材を入れ、石こうボードをはめています。毎日コツコツと少しずつ。

 

古家に合わせて壁用の石こうボードを切り出しますが、その角度やサイズはまちまち。失敗してもご愛敬とばかりに笑い飛ばし、楽しみながらDIYリノベ!

 

既存の屋根裏の一部にロフトを新設しました。寝室であるとともに、現在は夫妻がオンラインで仕事をする場所。

 

ロフトへ上がる階段は既存を利用。できる限り断熱性を高めながら、再利用できる部分は生かすことで、必要最小限のリノベとコストですむように工夫しています。

 

梁が印象的なロフトは、山小屋のような雰囲気。天井にはベニヤ板を張りました。対面には、寝ながら映画などを楽しめるようにスクリーンを設置。