ミニマリストで整理収納アドバイザーのおふみさんが、シンプルに心地よく暮らすコツをご提案。今回は、「高さが2つに区切られている」「奥行きが深すぎる」という押し入れを、クローゼットに最適化するコツを教えていただきました。

押し入れに服をしまう5つのコツ<おふみの暮らし絵日記・第7回>

実家を出てから11年、ほぼ必ずと言っていいほど和室ありの物件を選ぶようにしています。
和室がある物件は、同じような条件の物件と比較すると、やや家賃相場が安いから?
いえいえ違います。私は根っからの和室愛好家。

<写真>押し入れを活用したおかげで物が見当たらないリビング

洋室の場合、ソファやイージーチェアといった脚もの家具の上や、ラグの上でくつろぐことになると思います。
和室だと、与えられた面積すべてをくつろぎの空間として使えるというメリットがあります。6畳の和室なら、その6畳すべてをソファの座面のように使って寝転がり放題です。

 

●懐の深い押し入れは、服の収納に最適だった!

たくさん魅力のある和室ですが、和室あり物件を選ぶと、家の中の最も大きな収納は「押し入れ」になることが多いですよね。
クローゼットがなく押し入れのみの物件にも多く住んできました。
そうなると必然的に押し入れに服を収納する必要が出てきます。

押し入れをクローゼット化するのって、ちょっと面倒な感じがしませんか。
高さは中段によって遮られるので、丈の長い服をそのままハンガーにかけてしまえない。
そもそも押し入れは布団をしまうために最適化されていて、奥行きを有効活用できない…。
そんな風に悩んだこともありました。

しかし、押し入れはほんの少しの工夫で、クローゼットにも負けず劣らずの服の収納として活用できるのです。
今日は、わが家の押し入れ収納術をお伝えしたいと思います。

●コツ1:「高さ」がたりない?長い丈の服はS字に吊るせば解決!

 

押し入れのクローゼット化で、いちばんに問題として立ちはだかるのが、ワンピースやロングコートなどの丈の長い服。
「折り畳んで引き出し収納にしまうしかないの? 畳むのが面倒!」
「畳むとシワになるから着る際に毎回アイロンをかけないといけないから面倒」
そう思うかもしれません。

これらの服は、「S字収納」すれば問題なく吊るして収納することができます。
用意するのはハンガー2本。
1本目のハンガーで普段通り肩の部分をかけます。
そして、棚板にぶつからないように裾部分を折り返してもう1本のハンガーにかけ、2本1組でポールに吊るせば、棚板に裾を擦ることなく吊るして収納することができます。

●コツ2:ハンガー収納兼棚で「奥行き」を活用すべし!

クローゼットのない物件は、押し入れに最初からポールが造作で取りつけられているものと、ポールがついていないものに分かれます。
後者の物件に住んだ際に、クローゼット化に難儀しました。

2m近い長さのある強力つっぱり棒を用意して自力で取りつけてみたものの、服の重さでずり落ちてきてしまいました。そこで出合ったのが、自立式のポールハンガー兼棚です。

山善の「押し入れハンガーラック棚つき」というもので、手前がポールハンガー、奥が棚板という構成になっています。
ポールハンガー部分が自立しているので、つっぱる必要がありません。これさえあれば押し入れ内のどこにでもハンガー収納を設置できます。

 

 

これを買ってからどんな押し入れの物件でも怖くなくなりました。押し入れのポールのありなしで物件の選択肢を狭めずにすむので、本当に心強い存在です。

 

●コツ3:「奥行き」を有効活用して、簡単に衣替え

前述の棚つきハンガーラックを導入してから、押し入れの奥行きを有効活用できるようになりました。棚のおかげで、高さ方向の死蔵スペースをなくせるので収納力が劇的に上がります。

私は手前にオンシーズンの服を吊るして収納し、奥にオフシーズンの服を畳んでIKEAのスクッブという布製ケースにしまい、棚板に収納しています。
衣替えも、奥と手前を入れ替えるだけなのでラクです。

●コツ4:コの字ラックで「高さ」方向の死蔵スペースをなくす

押し入れ下段についても、高さ活用のために工夫しているポイントがあります。
コの字ラックを設置することで、高さ方向の死蔵スペースをなくしてものを収納することができます。

押し入れ用のラックだと幅が広すぎてサイズが合わなかったので、本来はキッチンで使用する「電子レンジラック」を使っています。「レンジ上ラック 伸縮タイプ」という商品です。

 

横幅のポールと棚板が伸縮するので、内部に合わせて伸縮してぴったりサイズで使えます。
とくに収納の少なかった以前の住まいでは、下段に本や書類を収納し、上段にもものを置けるようにして、収納をフル活用していました。

 

●コツ5:服以外にもあらゆるジャンルのものをしまえる

押し入れのいいところは、服以外のものもなんでもしまえること。本来の用途として布団をしまうこともできますし、折りたたみマットレスもしまえます。

私は無印のファイルボックスを使って本や書類も収納して押し入れにしまっています。
季節外の家電や、絵の具などの画材や楽器、衛生用品やお泊まりセット、ピクニック用品、防災用の持ち出しリュックなども押し入れにしまっています。

 

部屋の表に極力ものを置かないようにして、掃除しやすく、また防災面でも倒れてくるものが少ない部屋づくりをしたいと考えています。
押し入れの収納力のおかげで、部屋の表をすっきりさせられています。

どんなものでもしまえる懐の深さは押し入れの魅力です。
また、寝具を畳むことで、夜は寝室、昼はリビングや作業部屋など、一つの部屋を多用途に使えるところも大きなメリットです。
「使いにくそう」と敬遠していたらもったいないくらい魅力的な和室。工夫してシンプルライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。