巻き爪で、長時間歩くと痛みを感じる…。けれど、爪の形は仕方がないとあきらめていませんか? 形成外科医の桑原先生に、痛みを和らげる方法や解決策を教えてもらいました。

足の爪が痛い!巻き爪の対策ってありますか?

長時間歩くと、足が痛くなります。足の親指の爪が皮膚に食い込んでいて、その周辺がとくに痛むんです。自分でできるケアはありますか?(Sさん・49歳・広島県)

 

●巻き爪の原因は、じつは「足の骨格」

足の指を正しく使って歩いていれば、足先にしっかり力が加わり、足の爪は平らに伸びていくもの。では痛みが出るほど、爪が皮膚に食い込んでしまうのはなぜでしょう。

それは足の骨格アーチの崩れと、それに伴う歩き方のクセが原因。骨格アーチが崩れると、足指にかかる力が不均等になったり、指が浮いて力が入らなくなったりして、爪が巻いて生えてしまうのです。進行すると爪の端が皮膚に食い込み炎症を起こし、痛むように。これが「巻き爪」です。ちなみに外反母趾の人は、ほぼ皆さん軽度の巻き爪で、よくある症状です。

●靴の中敷きや矯正クリップ対策も効果的

対策として手軽なのは、足に合ったインソール(靴の中敷き)で足の骨格アーチを正しい位置に補正すること。いわば視力が悪い人がメガネで視力補正をするのと同じ原理。また初期の巻き爪なら、矯正クリップを爪に装着する方法(ネイルエンド)もおすすめ。クリニックで装着することもできますし、ネット通販でも入手できます。

●巻き爪予防、進行悪化防止にはストレッチを

予防法としては、ストレッチや筋トレを生活に取り入れ、脚の筋肉や股関節をやわらかくしておくといいですね(下記イラスト参照)。骨格アーチのゆがみと歩き方を正し、巻き爪予防、軽度の巻き爪の悪化防止につながります。

歩くと痛みが出る状態をそのままにしておくと、足のゆがみから股関節や脚の筋肉がかたくなり、ゆがみが増すことで巻き爪が進行します。強い痛みの場合は、セルフケアでは限界がありますので、足の状態を専門医に診てもらうことをおすすめします。