50代になって、子どもが独立して暮らしがコンパクトに。それに合わせて、家事を手放し、夫とシェアをしようと考えた日刊Sumaiライターが、共同作業をどのように進めたのかを語ります。家事シェアがきっかけで、夫婦がともに、住まいへの愛着をいっそう感じるようになったという心境の変化もありました。

とりあえずのお出かけをやめて、家事シェアの時間に

子どもたちが同居していた頃。休日はいつも、お出かけしていたわが家。家族のコミュニケーションとして楽しんできましたが、夫婦ふたり暮らしになり、休日のたびに出かけるのも場所も限られてきました。

そこで、時間がたっぷりあることを利用して、いつも筆者ですませている掃除を、夫婦でシェアすることに。思いのほか充実して過ごせることに気づき、今では、休日のイベントになりました。

そもそも日常の家事は、おもに専業主婦の筆者がしてきました。しかし50代になって、夫婦ふたりの老後生活を視野に入れ始めてからは、積極的に家事を手放すことに。

それに、夫も家事を身につけて、ひとりで生活に備えておく必要もあります。もし、私が独占していたら、夫は家事を覚える機会を失うはめに。

わが家の家事シェアには、そんな目的もありました。

 

食器洗いからシェア。道具選びも、意外に大事かも

まずは、食後の食器洗いからシェアすることにしました。

職場に持ち込んでいる水筒のパッキンをはずし、丁寧に洗っている夫。日頃のその様子から、どうやら水仕事が嫌いではない感じ。「一緒にやろう」と筆者が提案し、夫が洗って、私がふいてしまう、という流れ作業を始めることにしました。

食器洗剤やスポンジを夫の好みで選んでもらい、やる気を高めるようにしたのも効果があった模様。自分に合った道具だと、疲れにくいらしく、長続きにつながります。

私より丁寧に洗うので、「食器も喜んでいるね」と自然と会話も弾みます。ひとりだと長く感じたあと片づけの作業も、ふたりなら数分で完了。

これが習慣になり、食後は言葉をかわさなくとも、自然にお互いに持ち場に着くように。食器洗いを足がかりに、家事シェアのおかげで、日常の家事の負担がグンと減りました。

 

浴室をいつもきれいに保つ習慣とコツ

もともと風呂場は、入ったあとすぐに筆者が掃除をする習慣。なので、いつもきれいな状態です。全体を軽くこすって水で流し、その後は、鏡もカランも壁も床も、すべて水気をふき取って終わりに。

 

ちなみに、シャンプー類や風呂道具は浴室内に置かず、持ち込み方式。ヌメリや汚れの付着を避けるためです。

掃除時間は大体5〜8分くらいなので、風呂掃除も入浴時間の一部になっています。このように毎日、掃除していると、ヌメリや水アカなどがつきません。

とはいえ、やはり、見えない部分のメンテナンスが大事です。そこで、まとまった時間のある休日に、やはり家事シェアすることにしました。

風呂の「見えない部分」のメンテナンスを家事シェア

ドア下の通風口や浴室乾燥機のフィルター、そして浴槽のエプロン。この手の見えない部分のメンテナンスは、きちんと機能してもらうためにも、定期的な掃除が大切。そして、かなり根気のいる作業です。つまり、シェアするのにはぴったり。

 

つい、あと回しにしてしまいがちな、ドア下の通風孔掃除。「こんな構造になっているんだね」と、夫は興味津々。細かい溝の中をきれいに掃除していきます。

 

筆者だと、台に乗らなければできない、浴室乾燥機のフィルター掃除。夫は手を伸ばしただけで届くので、無理なく終了しました。

 

普段は、なかなか手出しができない浴槽のエプロン部分。タイプによっては、はずさないでください、という製品もあるようです。わが家の浴槽は、はずして洗うタイプでした。

ひとりでは大がかりな作業になりますが、夫は手際よくエプロンをはずし、汚れを取り除いて、掃除を完了。

一緒に掃除をすることで、設備を大切に使おうという気持ちも芽生えました。

 

家事シェアの振り返りと意外なメリット

なにもないから、取りあえず外出しよう。そんな目的のない外出よりも、夫婦で一緒に家事をすると、達成感があるので、満足のいく時間を過ごせます。

それに、お互いの得意分野を生かせば、「やらされている感」も軽減。面倒な家事への心のハードルが少し下がります。家にあるものを大切に使おうという気持ちも、改めて生まれたような気がしました。

だれかがやるという分担制ではなく、「老後を見すえてふたりでシェアしていこう」。道程は長いと思いますが、そんなスタンスで、お互いの家事能力を楽しく高めていけたらいいですね。