ディーン・フジオカさんと岩田剛典さんが難事件に挑む人気ドラマ『シャーロック』が劇場版(6月17日公開)に。撮影中のエピソードからも、ふたりの息の合ったバディぶりが伝わってきました。

劇場版『シャーロック』インタビュー。「おなじみの掛け合いが懐かしかったです」

ミステリーの名作「シャーロック・ホームズ」を原案にした人気ドラマ『シャーロック』が、劇場版となって再び登場。ドラマに引き続き、ディーン・フジオカさんが犯罪捜査コンサルタントの誉獅子雄(ほまれ・ししお)、岩田剛典さんが相棒の元精神科医・若宮潤一(わかみや・じゅんいち)となり、難事件に挑みます。約1年ぶりにバディを組み、シャーロックの世界へ戻ってきたおふたりの感想は?

ディーン:劇場版では新たなスタートをきる気持ちで「潔く、ドラマのことは一度忘れよう」と思ったんです。でも、獅子雄の浮世離れした雰囲気を出すには、ある種のスイッチが必要で。声のトーンだったり、セリフ回しのスピードだったり…。演じるスタイルで言うと、僕にとって獅子雄は「F1」のようなイメージ。ドラマのときにつくったそのスイッチは、1年ぶりの撮影でも生きていましたね。

岩田:僕もやっぱり、芝居の間や突っ込みのタイミングは体で覚えていました。今回、若宮がビデオ通話しているところに獅子雄が顔を出してくるシーンがあるんですけど、そこのリハーサルですっと若宮に戻れた気がしたんです。ドラマをワンクール経験したからこそ生まれる、あうんの呼吸みたいなものが気持ちよかったですね。

●独り立ちする若宮を見て、思わず“親目線”になりました

ディーン:このバディが戻ってきた懐かしさもありつつ、今回はふたりの関係性も変化していて。ドラマのときは獅子雄が若宮をおいてけぼりにして突っ走ることも多々あったけど、映画では獅子雄が独り立ちする若宮をサポートしたり、導いたりしているんです。試写を観たときも、若宮に対してついがんばれ! みたいな親目線になっちゃって(笑)。そんな新しい形のバディ像になっているよね。

岩田:映画の若宮は、半強制的に獅子雄と別行動を取らされて、無理難題に対して、ひとりでどうにかしようと果敢にがんばってましたね。それに比べると、ドラマの若宮はめちゃめちゃ未熟でしたよね。狂犬バディというか(笑)。

ディーン:そこまでは思ってなかったけどね(笑)。

岩田:嫌ってるのかな? っていうくらい獅子雄に対して当たりが強くて。映画では忠犬バディくらいにはなったんじゃないかなあ。

ディーン:今回の若宮は、ワンちゃんと格闘したり、熱いコーヒーをこぼすお決まりのシーンもあったり…。体をはってたよね。

岩田:リアクション芸人みたいでした(笑)。

ディーン:ドラマの1話1話の積み重ねがあったからこそ、そういう若宮のリアクション芸というか、かわいらしい面も、ひとつの完成形になったんじゃないかな。一方、獅子雄らしいなと思うのは、謎を解くことに対して、すごく楽しそうなところ。なにかに没入しすぎて周りに迷惑をかけてしまうこともあるけど、人生を思いっきり楽しんでいる感じが伝わってくる。そこは魅力のひとつですよね。

岩田:獅子雄に振り回されてイライラしちゃうのが、若宮の人間らしいところ。おだてられてすぐ調子に乗っちゃう部分も含めて、彼の味なのかなと思いますね。