40代からは「疲れない」人づき合い。人間関係を整理するコツ4つ
年齢を重ねるなかで、人とのつき合い方も変わってくるもの。「ものだけではなく、人間関係も『適量』を考えるとストレスがなくなりますよ」と話すのは、40代のライフオーガナイザー・高田舞子さん。ここでは、そんな高田さんにちょうどいい人間関係のコツを教えてもらいました。
40代からの人間関係の適量って?上手に整理するコツ
仕事をしていれば社内外でのつき合い、子どもがいればPTA活動や部活、ご近所づき合いなど、さまざまな人間関係を抱え、それに付随したやるべきことに追われてしまいがちな40代。
なんとなく忙しい、うっかりミスが多くなった、なにか忘れているのではないかと不安になる…など、なんだか心が落ち着かないことはありませんか。もしかしたら、抱えている人間関係が多すぎるのが原因かもしれません。
●整理するのが難しい「人とのつき合い」
一般的な片づけとなると、ものや空間が対象になります。同じようなものが複数あったり、使っていないものがあったりした場合、すべて目に見えるものなので手に取って比較ができ、手放すものと残すものを判断することができます。
では、人とのつき合いはどうでしょうか。
40代・50代となるととくに、仕事に家事、子育てや介護など、たくさんの物事が私たちを取り巻きます。空間の片づけと同じように、気持ちや人との関わり方、時間の使い方も整えることができるとはいえ、人間関係を整理するなんて冷酷で非情にも感じるし、どう整理していいか分からないですよね。上手く整理できずに、イライラや不安だけが募ってしまうことも。
そこで、40代になってから意識している私の人づきあい整理法をご紹介します。
人間関係をストレスなく見直す4つの方法
無理することなく「人間関係を整理」できる4つのステップがこちら。
●1:自分の感情を客観的に考えてみる
人間関係は目に見えない抽象的なもののため、整理するのは難しいですよね。でも、空間の整理と同じように考えてみると分かりやすくなります。私は以下のように、心のなかの感情をひとつひとつ出して、それを客観的な事実として捉えるようにしています。
・今日友達と会った⇒楽しかった/疲れた
・疲れたとしたらなぜなのか⇒時間が長かった/相手に共感できなかった
・時間が長かった⇒次回は事前に終わりの時間を決めて約束する
・相手の価値観とは少し違った⇒こちらから誘うのはやめる。誘われたときも無理に合わせなくてもいいと考える
人間関係でモヤモヤを感じても、相手や自分を非難したり擁護したりしてしまいがち。さらには、その感情の原因に向き合わずフタをしてしまうことも。
自分の感情を出すことと、なぜ楽しかったのか? なぜ疲れたのか? など、その原因を客観的に追及することができると、モヤモヤが少し可視化できます。
●2:「人間関係」ではなく「予定」を書き出して整理
もうひとつ、人間関係を可視化するのにおすすめなのが、「毎日の予定」を洗い出すこと。仕事や余暇、名もなき用事まで、自分が毎日どんな行動をしているのか? それを見える化します。
さらに深掘りしたい人は、それらに費やしているおおよその時間を算出するのもいいでしょう。面倒な人は、手帳の予定欄の横に数字を書き込むだけでもOK。「ヨガ」の横に「1.5」と書くだけでも時間を可視化できます。
●3:それぞれの予定を「自分軸」で仕分けする
このように書き出した予定を以下の4つに分類し、色分けもしてみました。
(1)自分を高める時間
(2)心地いい、心穏やか、心躍る時間
(3)(1)でも(2)でもないが必要な時間
(4)上記以外の時間
なにかを仕分けるときは、好きか否か、手放すか否か、など2択ではなかなか判断できません。
クローゼット整理を例に挙げると「これは好きではないけど、着ているし…」「これは着ていないけど、高かったし…」などと考えてしまい、一向に進まないですよね。でも、そこに3つか4つの選択肢があれば、事実に沿って「分ける」ことができるので判断しやすくなります。
頼まれたイベントへの顔出しやママ友とのランチ、子どもの習い事から、読書やヨガなど自分の余暇も含めて整理。
予定が増えれば増えるほど、ほかの予定との調整はもちろん、移動時間もかかります。予定に追われると買い物やLINEの返信ですらタスク化されてしまい、精神的な負荷はもっとかかります。
心地いいとは言えない、自分を高めるとは言えない予定に気づいても、それらを即切り捨てる必要はありません。そんな時間があると分かっただけでも収穫です。とくに人間関係は相手があってのことなので、急に変えるのは自分にとっても負担になります。徐々に距離を置いたり頻度を減らしていくことで、自然に手放していくのがいいと思います。
●4:「他人軸」でも考えてみる
2で紹介した仕分け方法は自分軸が中心。(1)と(2)は残していてもいい時間。ですが、多すぎるなら手放すことも必要ですし、選択肢(3)についても検討が必要です。
そこで、「周りが困るか」という他人軸で考えることに。
私の場合は主に仕事を整理する際に、「この活動を辞めたら周りは困るか」「どうすればそれを最小限におさめられるか」と考えました。
7年近く続けていたおひるねアート講師の活動を終了するときは、その半年前にリピーターのお客様に伝え、時間のゆとりを設けました。懐かしいお客様が会いに来てくださったり、常連ママたちともコミュニケーションの時間をたくさん取れたりと、気持ちのいい終わり方ができました。
一大決心でしたが、その時間を手放したとしても、築いた人間関係は工夫次第でその後も続けられると気づくことができたのも大きかったです。
「人間関係を整理する」ことに抵抗があるならば「時間を整理する」と意識を変えるといいかもしれません。なにごとにも適量があります。暮らしを豊かにするのはものの量だけではありません。ものや空間のほかに、情報、人間関係、時間の使い方、習慣や思考までも片づけの対象になり得ます。
スマートな40代を過ごすためにも、さまざまなことにおいて自分にとっての「適量」を考えられるようになりたいですね。