※この記事は2020年11月23日にBLOGOSで公開されたものです

今年デビュー40周年。〝ジャニーズの長男坊〟と言われ続けてきた、歌手でカーレーサーの近藤真彦もいよいよ年貢の納め時のようだ。

25歳年下、31歳の一般女性との不倫報道を巡って、芸能活動の無期限自粛を明らかにしていたのだが、世間からの批判を受け、ここにきて芸能活動だけではなく自ら率いるレーシングチーム「KONDO RACING」の監督活動についても〝自粛〟することを決めた。

ここまできたら八方塞がりの状態だが、これも「身から出た錆」と言ったところ。

さすがに業界内からも、
「ジャニーズの功労者であることには間違いありませんが、事務所からの自粛処分を受けるのではなく、潔く自らジャニーズを退社するぐらいの気概が欲しかったですね。現状を見る限り、もはや男のケジメとして芸能界からも身を引くべきではないでしょうか。今年はデビュー40周年ですが、晩節を汚す結果になってしまいましたね」
との声が上がっている。

コトの発端は〝文春砲〟だった。

不倫の相手とされるのは、オーダースーツの会社を経営する女性。

5年前の2015年3月中旬、東京・港区内の割烹でIT系上場企業の社長から紹介されたのが出会いのキッカケだったが、3ヶ月後の6月に、今度は、その社長が所有するクルーザーの船上で再会した。その際に近藤は「出会った時から好きだった」と告白したとか。当時、女性には「同棲」するほど関係の深い交際男性がいたものの、近藤との出会いで破局したと言う。もっとも元交際相手は、（奪った相手が）近藤だとは「全く知らなかった」らしいが。

交際開始後、女性は近藤の35周年のコンサートやカーレース会場、さらには近藤が主催した故・ジャニー喜多川前社長の誕生会にも出席したそうで、週刊文春は、知人女性の話として「誕生会では亀梨和也から『マッチさんに馴れ馴れしい』と怒られた」と報じられている。

彼女に打ち明けた中森明菜との過去

ところで、近藤は94年に一般女性と結婚、07年には男児が誕生している。だが今回、不倫相手とされる女性と出会ってからは「彼女を全部支配したくなる。理屈ではなく、自分の中の何かがはまっている」（「週刊文春」より）と本気度が増していたようで、近藤は他人には語らなかったことでもこの女性には打ち明けていたようだ。

その一つが、歌手の中森明菜との関係。（近藤のマンションでの）明菜の自殺未遂事件（1989年7月11日）を振り返り、「（自殺未遂は）自分のせい」と吐露していたそうで、その全てを知った上で「俺を受け入れてほしい」などと迫っていたとのこと。

「マッチが本気だったことは分かります。ただ、自分のネガティブな部分を持ち出しながら女性を口説くのは、マッチの常套手段だったのかもしれませんね。しかし、実際には明菜から億単位の金を巻き上げレースに注ぎ込んだかと思えば、ニューヨークでは（松田）聖子と密会、キスしているところを写真誌に撮られた。

極め付けは年末に明菜を出席させて、金屏風の前で会見を行い『彼女の復帰に協力できてよかった』『これからはいい友達』などと平然と言い放っていたことでした。『自殺未遂の責任は自分にある』なんて言いながら、結果的には明菜を最後の最後まで翻弄しまくってきたわけです。もはや究極のペテン師だと思いますよ」

と芸能レポーターが言えば、別の芸能記者は、
「文春の記事によると、（不倫していても）2人だけで行動することがないからバレることはないとか、揉み消せる権力を俺は持っているとか、うそぶいていたようですからね。明菜の時もそうでしたが、マッチと言うのは、自分の行動に責任を持たない、何かあっても解決も出来ない、いい加減なダメ男の典型です。もっとも、ダメ男ほどモテるとも言いますが…。

タチが悪いのは、自分はジャニーズ事務所の中でも優遇されているから、何をやっても許されるし、例えスキャンダル染みたことを起こしても事務所が揉み消してくれるぐらいにしか考えてないことなんです。一事が万事、おそらくこれまでも幾つもの失態が揉み消されてきたのだと思いますけどね」

近藤の不倫をサポートした友人たちの罪

それにしても、今回の不倫が特異だったのは、騒動の渦中に近藤と親交の深い面々ばかりか、一部上場企業のトップまでが加わって隠蔽をサポートしてきたことだろう。しかも、その面々は2人の関係が発覚しないようにカモフラージュまで仕掛けていたと言うから驚く。

もはや確信犯的な行動だったという以外ない。もちろん「犯罪」ではないにしても、社会的に立場のある面々が結託して奥さんや息子さんを騙し続け、家庭を壊そうとしてきたわけだから、常識では考えられない、とんでもない騒動だったことになる。

ここは関わった全員が断罪されるべきで、本来なら、サポートしていた面々も顔を出して、少なくとも事情を説明する記者会見ぐらい行う責任はある。

もちろん、ジャニーズも知りながら見て見ぬふりをしていた。

しかも、不倫が発覚してから処分が発表されるまで数日かかっている。その点についてジャニーズは「慎重に検討していた」とか「ご家族と本人が話し合うため」など釈明しているのだが…。

CM契約解除 大きかった不倫の代償

「今回のことで近藤は40周年記念ツアーの最終公演や、文化放送でのレギュラー番組『くるくるマッチ箱！』、さらには12月2日に予定されていた『FNS歌謡祭』の出演を見合わせることになりました。さらに近藤がCM出演していたタイヤ・ホイール専門店『フジ』の経営する宮城の『フジ・コーポレーション』が、チームのスポンサーも含め契約解除しており、周囲に多大な損害を与えていますが、これは近藤だけの責任ではありません。

今年は俳優の東出昌大やお笑い芸人の渡部建、ラッパーのZeebraなどが不倫で叩かれてきましたが、近藤の不倫騒動については、テレビのワイドショーは控え目どころか、ほとんどスルー状態で、事務所に守られている感は拭いきれませんでしたね。

とは言っても、近藤の受けたダメージは計り知れないはず。ジャニーズにしてもジャニー前社長が亡くなってから、事務所内での世代交代が急速に進んでいるようで、もはやマッチの居場所はないに等しい状態となっています。しかも、タイミングが合うかのようにSMAPのメンバーだった森且行がオートレースで日本一になったことも皮肉でした。もはや近藤のイメージ回復は不可能です。いくら〝ジャニーズの長男坊〟と言われていても、これからのジャニーズの中ではお荷物になるだけです」（芸能関係者）

実際、副社長になったタッキー（滝沢秀明）にとって近藤は煙たい存在になっていると言われる。

「ジャニーズでは、不祥事が起こるたびに処分を繰り返してきました。最近でも山下智久が未成年女性との飲酒問題で活動を自粛、結果として退所しています。それもあって、タッキーとしては気持ちの中では近藤だけを特別扱い出来ないと思っていたのでしょう。百歩譲って、近藤には後輩を牽引してほしいと願っていたようですが、役目を担ってくれようとしない。それが彼の大きなジレンマになっていたようです」

近藤の不倫を取り上げないマスコミに松本人志が苦言

そんな折、11月15日放送の『ワイドナショー』（フジテレビ）でダウンタウンの松本人志が、今回の騒動に切り込み『基本この番組は不倫をあまりやらんとこって言ってるんやけど、あまりにも他がやらなさ過ぎるから』と言い出すと、続けて『長い歴史の中で、大手事務所がスルーしましょというのが、各局染みついちゃってて…』などと苦言を口にしたのです。この松本の発言に各局のワイドショー担当者はさすがに青ざめたようですけど」（芸能記者）

近藤は事務所のタレントを代表する立場であることは言うまでもないが、〝文春砲〟を食らったから処分と言うのもお粗末過ぎる。事務所の自浄能力を疑われても仕方がないが、今後の身の振り方について自ら判断が出来ないと言うのなら無期限自粛のままフェードアウトしていく以外ないのかもしれない。

芸能界を去ってもレーシングチームの監督があるのだから…。