栃木県那須町の遊園地「那須ハイランドパーク」で2019年8月、利用客の男性が遊具から転落し死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われているアルバイト従業員だった大学生の男と現場責任者だった元従業員の男の初公判が23日、宇都宮地方裁判所で開かれ、検察側が禁錮1年を求刑し審理を終えました。
業務上過失致死罪に問われているのは事故当時、アルバイト従業員だった大学生の男(22)と現場責任者だった会社員の男(51)です。
起訴状などによりますと、大学生の男は19年8月5日に、男性客=当時(51)=に転落防止の命綱を着けずに高さ5メートルほどの所につり下げられたポールに飛びつく遊具に案内し、遊具に抱き着けなかった男性を転落死させたとしています。元責任者の男は、勤務歴が6日目と浅く十分な指導をしていないアルバイトを一人でその遊具に従事させ、注意義務を怠ったとしています。 23日に開かれた初公判で、スーツ姿で証言台に立った2人は「間違いないです」と起訴内容を認めました。 検察側は「専用の安全装備を着けなかった場合、死亡事故に直結するのは容易に想像でき、最も基本的な注意義務に反した過失は重大」などと述べ、2人に禁錮1年を求刑しました。 一方、弁護側は起訴内容は争わないとした上で、「根本原因は安全より利益を優先して十分な従業員と設備を配置しなかった会社の運営にあった」などと述べ、執行猶予付きの判決を求めました。 判決は7月4日に言い渡される予定です。