おすすめ海外ドラマに見る、アイラブユーの意味【海外ドラマで英語学習】
海外ドラマが大好きな皆さんは“アイラブユー”の真意をご存じだろうか。もちろん「あなたのことが好き」とか「愛している」という訳で間違いはないのだが、日本人が思うよりも“アイラブユー”という言葉には重みがあり、恋人同士の間でも軽々しく使えるものではないそうなのだ。
そう思って海外ドラマのシーンを振り返ると見え方が変わってくるかもしれない。この記事では、おすすめの定番海外ドラマの中の“アイラブユー”の名シーンをご紹介&解説。ちょっとした英語学習として楽しんでほしい。
おすすめ海外ドラマの“アイラブユー”シーンその1『ママと恋に落ちるまで』
まず手始めに、アメリカの恋愛ドラマでは割とよく見かけるシーンをご紹介。アイラブユーという言葉の意味の重さを使って、恋愛においてよくある焦りやすれ違いを演出しているパターンだ。
『ママと恋に落ちるまで』シーズン1 第1話「物語をはじめよう」より
主人公のテッドは、ニュースリポーターのロビンに一目惚れ。いい感じで初デートのディナーを楽しみ、ロビンの家までやってきたテッドだったが、彼女は急遽取材へ行ってしまう。数日後にはまた別の取材でフロリダに発つという彼女と何としてでもお近づきになりたいテッドは、夜中に彼女の家に戻ることに。まんまと家に上げてもらい、二人はロマンティックな音楽をかけて見つめ合う――。
ロビン「I think I like your nose.(あなたの鼻好きよ)」
テッド「I think I’m in love with you.(君を愛してる)」
==ここでカット割り!==
――話を聞いた友達たちの「What?!」
――未来のテッドの子どもたちの「What?!」
――ロビンの「What?!」
=============
ロビン「You love me?(私を愛してる?)」
テッド「I can’t believe I said that. Why did I say that? Who says that? I should just go. (自分でも信じられない。何でそんなこと言ったんだ?誰が言うんだ?帰るよ)」
ロビン「Hold on. Wait a minute. (ちょっとまって)」(約束のオリーブの瓶を渡す)
テッド「Thanks. I love you. What is wrong with me? (ありがとう、愛してる…って僕はいったいどうしたんだ!)」
大げさに思えるほどのドン引き具合に注目
「そんなに?!」と思うくらいの全員のドン引きな反応に違和感を覚えた人もいるのではないだろうか。こうした反応から、アイラブユーがいかに重いかということが感じ取れる。テッドはもうメロメロでゾッコンで彼女に夢中なのだろうが、そんな状態の人にとってもアイラブユーは十分な関係性ができていない相手に言うには重すぎる言葉なのだ。「とにかく彼女にキスするんだ!」と勧めていたバーニーですらテッドの話にドン引きなわけだが、キスは良くてアイラブユーがダメなんて、なんだかおかしな話のようにも思えるし、感覚の違いを感じる人も少なくないはず。
おすすめ海外ドラマの“アイラブユー”シーンその2『グレイズ・アナトミー』
続いて、海外ドラマ界で最もアイコニックな2組のカップルの有名なアイラブユーのシーンを見ていこう。海外ドラマ史に残る真剣な愛の告白といっても過言ではない名シーンだ。
『グレイズ・アナトミー』シーズン2 第5話「“痛み”の処方箋」より
一夜限りの関係だと思っていたメレディスとデレクは、なんと同じ病院の上司とインターン。次第に二人の関係は本気の恋へと発展していくが、デレクには美しく有能な産婦人科医のアディソンという妻の存在が。そんな三角関係の中で、メレディスはデレクにありったけの思いを伝える――。
メレディス⇒デレク
Your choice, it’s simple, her or me. And I’m sure she’s really great. But Derek, I love you…. In a really, really big…pretend to like your taste in music, let you eat the last piece of cheesecake, hold a radio over my head outside your window, unfortunate way that makes me hate you love you. So pick me. Choose me. Love me.
あなたの選択肢は2つ。彼女か私。彼女はすごい人よ。でもデレク、愛してる。どうしようもないほどに。音楽の趣味も合わせる、好きなケーキを譲れる、映画風に愛の告白まで。憎らしいけど、それほど愛してる。だから、あなたも私を選んで。私を愛して。
主演女優が言いたくないほど重いセリフだった?
もはや説明不要のかの有名なシーン。妻アディソンとの離婚を躊躇するデレクに、自分の気持ちをぶつけるメレディス。妻帯者に告白するくらいだから、「好き!」くらいの生半可な覚悟では言えない、重たくも真剣な思いなのだろう。そこでこそ、“アイラブユー”の出番なのだ。
メレディスを演じるエレン・ポンピオは、後に「テレビで"私を愛して"なんて懇願するなんて信じられない!って思って喚いたの」と男性にあんな風に必死でお願いするなんてゾッとした上に、撮影に行きたくなかったとの当時の思いを打ち明けている。演技をすること、ひいてはセリフを言うことが生業の女優が、これほどの拒否反応を示すということは、やはりかなり重い一言のようだ。
おすすめ海外ドラマの“アイラブユー”シーンその3『フレンズ』
最後に紹介するのは国民的シットコム『フレンズ』。メレディスとデレクに負けないくらいアイコニックで、世界中から愛されているカップルであるレイチェル&ロスの、ハプニング的に飛び出したアイラブユーを見てみよう。
『フレンズ』シーズン2 第20話「不誠実な婚約者」より
交際して6週間ほど経ったレイチェルとロスが言い合いの喧嘩。レイチェルを愛する気持ちがどんどん先走って、まだ妊娠の“に”の字も出ていないのに子どもの名前まで考えているロスに、この先の人生にレールを敷かれたような気持ちになるのが嫌だと訴えるレイチェルだったが――。
ロス「You're with a guy who won't stop planning his future with you. He knows we'll end up together. If that scares you, tough! You'll have to deal with that. (僕は君との将来を考えずにはいられない。僕らは結ばれる運命だ。それを受け入れてほしいね。)」
レイチェル「Fine, I will! (分かったわ!)」
ロス「Good, because I love you !(それはよかった、だって僕は君を愛してるからね)」
レイチェル「Oh, yeah? I love you too! (あら、そうなの? 私もあなたを愛しているわよ!)」
ロス「That's the first time we've said that! (初めて言い合ったな)」
レイチェル「Yes, it is! (そうね)」
ロス「I'm gonna kiss you! (キスする!)」
レイチェル「Well, you better! (いいわ!)」
演技とはいえ本気になってきちゃう?!
2人とも語調が強まっていてれっきとした喧嘩だけど、ちゃんとお互いの気持ちを伝え合って「受け入れてほしい」と言えるのは、とても素敵な関係なのかもしれない。
お互い好きで交際しているカップルであれば「好きだよ」「私も(ハート)」みたいなやりとりはいくらでもあるだろう。というか、そういう言葉を交わして交際をスタートさせるものなのでは?と思ってもしまうが、やはりそこの感覚が違うようだ。レイチェルのセリフによると、この時点で2人は交際6週間。付き合って1カ月以上経って、喧嘩の勢いで思わず飛び出た初めての“アイラブユー”ということだ。ロスが「こんなことを言い合ったのは初めて」なんてわざわざ言っていることからも、この言葉の特別感が伝わってくるようだ。
『フレンズ:ザ・リユニオン』に出演した際に、お互いに惹かれ合っていたことを明かしたレイチェル役のジェニファー・アニストンとロス役のデヴィッド・シュワイマー。“言霊”なんてよく言われる話で、ドラマの演技とはいえお互いに愛を囁き合っていたら、やっぱりその気になってきてしまうのか?!
海外ドラマを見て文化の違いを理解することも英語学習になるかも?
アイラブユーの重さ、分かっていただけただろうか。改めて作品を見返してみると、登場人物同士の関係性をより深く理解できて、より深く物語を楽しめるかもしれない。今後、是非とも海外ドラマにでてくる“アイラブユー”に注目してみてほしい。
(海外ドラマNAVI)