2022年3月23日に、人気ブロックチェーンゲームである「Axie Infinity」のサイドチェーンから750億円以上に相当する仮想通貨が盗み出されました。Axie Infinityを運営するベトナムのゲーム会社・Sky Mavisが2022年4月6日に、被害者を救済するための資金として、大手仮想通貨取引所のBinanceなどから1億5000万ドル(約185億円)を調達したと発表しました。

Sky Mavis Raises $150M Led By Binance, Funds to be Restored on the Ronin Bridge

https://axie.substack.com/p/funding

Maker of ‘Axie Infinity’ Game Raises Funds to Reimburse Victims of Crypto Hack - WSJ

https://www.wsj.com/articles/maker-of-axie-infinity-game-raises-funds-to-reimburse-victims-of-crypto-hack-11649254614

Crypto, VC Firms Come Together to Bail Out Axie Infinity After $624M Hack

https://www.vice.com/en/article/4awmqg/crypto-firms-come-together-to-bail-out-axie-infinity-after-dollar624m-hack

「axie」というかわいらしいゲームキャラクターを育成させたり対戦させたりするオンラインゲームの「Axie Infinity」は、axieと紐付けられた非代替性トークン(NFT)の取引などで金銭を稼ぐことも可能な、「Play To Earn(遊んで稼ぐ)」ジャンルの火付け役的なゲームです。3月23日に、この「Axie Infinity」のブロックチェーンを支えるサイドチェーンのRonin Bridgeがハッキングを受けて、多額の仮想通貨が盗み出される被害が発生しました。

遊ぶだけで仮想通貨が手に入るゲーム「Axie Infinity」のサイドチェーンから750億円超が盗まれる - GIGAZINE



「Axie Infinity」の運営会社・Sky Mavisは4月6日に、仮想通貨取引所のBinanceが主導し、モバイルゲーム会社のAnimoca Brands、ベンチャーキャピタル企業のAndreessen HorowitzとAccel、仮想通貨ファンドのParadigmとDialecticなどが参加する1億5000万ドルの資金調達ラウンドを発表しました。Sky Mavisは調達した1億5000万ドルを、同社の自己資金と合わせてハッキングの被害者への補償に充てて、ユーザーが資金を引き出したり預けたりできるようにするとしています。

Sky Mavisのチュン・グエンCEOは声明の中で、「当社はユーザーが失った資金をすべて払い戻し、今後のサイバー攻撃を防ぐために厳格な内部セキュリティ対策を実施することをお約束します」と述べました。

Sky Mavisは、再発防止策の一環として、トランザクションを承認するバリデーターを21に増やすとしています。これまでSky Mavisは9つのバリデーターを利用していましたが、前述のハッキングでは9つのうち5つの秘密鍵が盗まれたことで、Ronin Bridgeから仮想通貨が不正に転送される事態になりました。

資金調達ラウンドを主導したBinanceのチャンポン・ジャオCEOは、「我々はSky Mavisが業界により大きな価値と成長をもたらすと強く信じており、最近の事件を解決するために取り組んでいる彼らのサポートが必要だと考えました」とコメントしました。