プロ初日、「68」と好スタートを切ったルーキーの佐藤心結【写真:Getty Images】

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今季ツアー開幕戦ダイキンオーキッドレディス第1R

 女子ゴルフの国内ツアー開幕戦・ダイキンオーキッドレディスは3日、沖縄・琉球GC(6590ヤード、パー72)で初日が行われ、ルーキーの佐藤心結(ニトリ)は第1組でスタートし、6バーディー、2ボギーの68と好スタートを切った。定評のある280ヤードを超えるドライバーショットと高弾道のアイアンショットも披露。日本人では初となるプロ転向初戦Vに向けては「チャンスがあれば」と控えめだが「夢はタワーマンションの上の方に住みたいです」と独自の意欲を見せた。

 アマチュアとして最後に出場した昨年10月のスタンレーレディスでは、渋野日向子らとプレーオフを戦ったスーパールーキー。プロとしての第1打は、しっかりとフェアウェー右サイドをとらえた。飛距離255ヤード。飛ばし屋の佐藤にしては、抑え目だったが、晴れやかな表情でコースを歩き始めた。

「アドレスに入っても心臓の鼓動が聞えるくらいに緊張していました」

 第2打は高弾道でピン右6メートルにつけた。そして、キャディーを務める三觜喜一コーチの読んだライン通りに下りフックのパットを決め、いきなりバーディーを奪った。2番パー4では約290ヤードのドライバーショットを披露。小6にして、三觜コーチに「ぶっ飛び心結ちゃん」と言わしめた圧倒的な飛距離を見せつけた。

 その後もドライバー、アイアンともに冴えて、計6バーディー。15、18番ではアプローチでミスが出てボギーにしたものの、「デビュー戦にしては上出来です」と声を弾ませた。

コーチは潜在能力に太鼓判「プロを含めても断トツ」

 昨年10月、アマチュアながら渋野らとプレーオフを演じたことで、佐藤の注目度は高まった。その重圧を感じながら、プロテスト、QT(ツアー予選会)を突破。2月には髪を明るく染め、耳にピアスをつけるようになった。

 この日もしっかりとメイクし、母から贈られたピアスを付けてのラウンド。会見で今後の夢を問われると、「身近なものとしては賞金でピアスを買えるようにしたいです」とニッコリ。続けて大きな夢は「あまり物欲はないんですけど…タワーマンションの上の方に住みたいです」と明かし、会見場を沸かせた。

 三觜コーチも「潜在能力はプロを含めても断トツです」と評価する18歳。このまま好調を維持すれば、日本人としては初のプロ転向第1戦での優勝も見えてくるが、佐藤は「まずは予選通過をしたいです。土日に祖父が応援に来る予定なので何としてでも」と言葉に力を込めた。7歳の時、祖父がクラブをプレゼントしてくれたことで、佐藤のゴルフ人生は始まった。その祖父の前でベストなプレーを見せた時、快挙はおのずと近づいてくる。

◆佐久間朱莉は3アンダー発進

 昨年6月に開催された2020年度プロテスト1位合格の佐久間朱莉(大東建託)も、佐藤と同じ第1組で回って69をマークした。もっとも、1番ホールはオナーで第1打を放ち、左ラフに入れた。「『私が(今季の)始球式だ〜』と思って、ものすごく緊張しました。でも、あれで楽になりました」。沖縄に入る前には、師匠の尾崎将司に「おまえなら大丈夫だ」と激励された19歳。第2Rも佐藤と同組でさらに上を目指す。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)