『トゥルーノース』より

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 北朝鮮強制収容所を題材にした3Dアニメーション映画『トゥルーノース』が11月4日よりNetflixで配信スタートとなる。

 2021年6月4日に封切られた本作は、1960年代の帰還事業で日本から北朝鮮に移民した家族の物語。ドキュメンタリー製作などに携わってきた清水ハン栄治監督が、収容生活を生き延びた脱北者の証言をもとに、約10年の歳月をかけて作り上げた。

 物語は、平壌で暮らしていたパク一家の主が突然失踪するところから幕を開ける。残された母と幼い兄妹・ヨハンとミヒはわけもわからぬまま政治犯強制収容所に送還され、過酷な労働と寒さ、飢餓が続くなか、兄ヨハンは熾烈な生存競争で次第に人間性を失い、母と妹は人間性を失わずに生きようとする。そんなある日、悲劇が起こり、ヨハンは絶望の淵で生きる意味を考え始める。

 本作はアニメ映画の世界最高峰を選ぶ権威ある映画祭・アヌシー国際アニメーション映画祭「長編コントルシャン部門」にノミネートされたほか、第33回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス部門」、プチョン国際アニメーション映画祭、レインダンス映画祭、ワルシャワ国際映画祭などに出品。ナッシュビル映画祭(米国)ではグランプリを受賞した。(編集部・石井百合子)