人気FPSシリーズ「Call of Duty」で知られるゲーム大手のActivisionが2021年10月13日に、新しいチート対策システムである「Ricochet anti-cheat」を発表しました。カーネルレベルで動作するこのチート対策は、2021年中に「Call of Duty: Warzone」に導入されるほか、2021年11月にリリース予定の「Call of Duty:Vanguard」にも後日適用される予定です。

Announcing Ricochet: A New Anti-Cheat Initiative for Call of Duty

https://www.callofduty.com/blog/2021/10/ricochet-anti-cheat-initiative-for-call-of-duty

Call of Duty’s new anti-cheat system includes a kernel-level driver to catch PC cheaters - The Verge

https://www.theverge.com/2021/10/13/22724037/call-of-duty-ricochet-anti-cheat-system-kernel-level-driver

2020年3月にサービスを開始した「Call of Duty: Warzone」は、スタートから約1年後の2021年4月に累計プレイヤー数が1億人を突破した人気のバトルロイヤルゲームです。しかし、地面を撃っても敵を倒せるチートツール「Silent Aim」が横行するなど、Activisionはチート対策に頭を悩ませてきました。さらには、まだ正式リリースされていない「Call of Duty:Vanguard」のベータテストでも、チートが問題になったと報じられています。

リリース前の「Call of Duty:Vanguard」で早速チーターが暗躍、開発元はアンチチートシステムを開発中 - GIGAZINE



こうしたチート行為に対抗するため、Activisionは新しいチート対策システムである「Ricochet anti-cheat」を発表しました。このPC用のチート対策システムは、カーネルレベルのドライバー、プレイヤーの行動を調べる機械学習アルゴリズム、さらにはチーターの摘発を行う「専門家チーム」の組み合わせで運用されるとのこと。

Activisionは、カーネルレベルで動作するツールについて、「ドライバーは常にオンになっているわけではありません。ゲームを起動するとソフトウェアがオンになり、ゲームを閉じるとシャットダウンします。また、カーネルレベルのドライバーはゲームに関連するアクティビティだけを監視および報告します」と述べて、プライバシーへの影響は最小限度だと説明しました。

「Ricochet anti-cheat」は、2021年中の配信が予定されている「Call of Duty: Warzone」のPacificアップデートと同時にリリースされる予定で、アップデート後は「Ricochet anti-cheat」を導入していないとゲームをプレイすることができなくなるとのこと。また、11月5日にローンチされる「Call of Duty:Vanguard」にも、後日適用される予定です。



Activisionは今後の取り組みについて、「対策チームは、チートという洗練された不正行為と戦い、飽くなき執念でフェアプレイを追求していくことが使命だと考えています。そこで、我々は時間をかけて『Ricochet anti-cheat』システムを進化させ、ゲームを台無しにすることを目的としたあらゆるものと戦うことを決意し、コミュニティのために献身的に取り組んでいきます」とコメントしました。

Activisionはまた、プレイヤーに対して「不正行為は単一の対策やポリシーでは解決しません。ゲーム内のレポートツールを使用して疑わしい行動を報告することは重要であるため、プレイヤーはチート対策の重要な要素でもあります」と述べて、引き続き不正行為の通報などの協力を求めました。