かつてmacOSベータ版からは、MacBookシリーズの省電力向け制限を無効化して一時的に性能を引き上げる「プロモード」の手がかりが見つかっていました。そして新たに、次期macOS Montereyの最新ベータ版から、「ハイパワーモード」(Hig Power Mode)と呼ばれる同様の機能が開発中である可能性が浮上しています。

最初に「プロモード」の手がかりが見つかったのは、2020年1月にmacOS Catalina 10.15.3ベータでのこと。そこには「アプリ速度は向上しますが、バッテリー持続時間が短くなり、ファンノイズが増加する可能性があります」および「ファンの速度制限が上書きされます」との記載がありました。が、実際にmacOS Catalina正式版には搭載されず、macOS Montereyのベータ版でもすべての記述が削除されていたとのことです。

しかし9to5Macは、28日に配信された開発者向けmacOS Montereyベータ8にて、追加された「ハイパワーモード」に関する記述を発見。すでに「低電力モード」つまり画面の明るさや一部機能を制限する代わりにバッテリー駆動時間を延ばす機能は発見されていましたが、「ハイパワーモード」はその逆で、MacBookが電源に繋がれていないときもアプリをフル性能で実行できると予想されています。

まだ「ハイパワーモード」が具体的にどのように機能するかは不明ですが、Macが電源に接続されているかどうかに関係なく、CPUとGPUを強制的にピークパフォーマンス(最大限の電力供給ができている状態での性能)で動作させるものと推測されます。またAppleシリコンMacでは滅多にありませんが、熱によるスロットリング(ハードウェアを守るための性能抑制)を防ぐためにファンをオンにできる模様です。

記事執筆時点では、アップルが「ハイパワーモード」をすべてのMacBookに導入する予定なのか、それとも特定のモデルのみ有効にするつもりかは不明です。まもなくM1チップの強化版「M1X」を搭載した新型MacBook Proが発表されるとの噂もあり、もしかすると今後の高性能Mac専用の機能になる可能性もありそうです。

最近のmacOS Montereyベータ版からは、新型MacBook Pro用らしき内蔵ディスプレイの解像度も発見されていました。これからもアップルが未発表の製品ないし新機能のヒントが、Montereyのベータ版から発掘されるのかもしれません。

Source:9to5Mac