福田 富一知事が当選した去年１１月の栃木県知事選挙で告示前に投票を呼び掛ける文書を配ったなどとして、公選法違反の罪に問われた前の宇都宮市議会議長に宇都宮簡易裁判所は２９日、罰金３０万円、公民権停止３年の判決を言い渡しました。

公職選挙法違反の罪に問われていたのは、前の宇都宮市議会議長の桜井啓一被告（５９）です。

判決によりますと、桜井被告は選挙告示前の去年１０月２５日、福田知事の母校である宇都宮工業高校野球部ＯＢ会の会員宛てに選挙で福田知事に投票するよう呼び掛ける文書を１２通郵送したとされています。

この事件を巡っては、宇都宮区検が５月に略式起訴し、宇都宮簡裁が罰金３０万円、公民権停止４年の略式命令を出していましたが、桜井被告が「公民権の停止期間が長い」として正式裁判を請求していました。

判決で宇都宮簡裁の細谷和信裁判官は桜井被告が福田知事への多選批判に不安を抱いていたと指摘し「文書の作成から配布を主導的に行った責任は非常に重い」と述べました。

一方で「違法性を明確に意識していたとは言えない上、議員職を辞するなど一定の社会的制裁を受けている」として、罰金は求刑通り３０万円、公民権停止は５年に対し、３年の判決を言い渡しました。