日沖 博道 / パスファインダーズ株式会社

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小生が新品で購入したラップトップパソコンが不調で交換を繰り返すことになり、1年余りで都合5台目というのに未だに直らない。それどころか「対応します」と言ったはずのメーカー=マイクロソフト(以下、MS)社は途中で連絡を寄越さないままになっている。製品および担当者の「当たりが悪かった」側面はあるだろうが、そして1例に過ぎないのかも知れないが、これがまともな会社のやることかと呆れてしまう経緯なのだ。

以下、何が起きたかをなるべく客観的に追っていく。前後の記憶違いは多少あるかも知れないが、起きたことはすべて事実だ。

2020年3月末にAmazonにてMS Surface Laptop3(以下、Laptop3と略す)という機種を購入した。黒いボディでスタイリッシュなデザイン、画面タッチ操作ができ、なかなかのスペックだ。20万円弱は決して安くはないが、キータッチもよい感触で、気に入っていた。

当時、新型コロナ感染拡大のせいでクライアントとのミーティングはほとんどウェブ会議に切り替わったばかり。当初はこの購入したばかりのラップトップPCで会議を実施した。しかしその会議中に度々通信が中断するのだ。会議相手や使っている会議システムが違っても同様のトラブルが頻発した。

最初はウェブ会議とはこんなものかと思っていたが、一緒に使っていたSurface ProというノートPCに切り替えるとまったく問題なく会議を継続できる。また、Laptop3での使用中に限ってネットサーフィン中にすぐに通信不調になってしまう。こんなことを何度か繰り返し、どうやらLaptop3のほうに問題がありそうだと気づいた。そこでMSのサービスデスクに電話し、不調を改善できないか相談した。

最初はほとんど小生の通信環境のせいかと疑われたが、隣り合わせで使っているSurface Proおよび予備のNEC製PCでは問題がないことを数人のエンジニアに何度も説明し、その度にリモートで診断をしてもらい不調の原因を探ってもらった。しかしその場では現象が再現しないこともあり、なかなか埒が明かない感じで数週間が過ぎた。そのうちに通信不良だけでなく他にも問題が幾つか生じたので、結局7月になって機器交換という結論になった。

1台目の交換機(同じタイプのLaptop3の中古再生機がMSの国内工場から送られてくる。以下、同様)は、すべての設定・SW読み込み直しなど済んだ時点で使い始めた最初のウェブ会議で、最初の新品機が示したのと同じ症状を露呈した。つまり会議途中などで突然通信が切れるのだ。

早速、MSのサービスデスクに電話。複数人のエンジニアの間をたらい回しされながらも、リモートで診断および通信モジュールの設定などのやり直しをしてもらう、様子を見てくださいと言われる、再び症状が起きてサービスデスクに電話する。こんなことを繰り返した。結局9月の終盤になって耐え切れず、相談の上で再び機器交換と相成った。

2台目の交換機(つまり3台目のLaptop3)は一つ前の交換機と同じパターンを示した。つまり通信不良、電話相談、リモート診断、様子見、不調の繰り返しだ。しかも前の交換機の修理途中でエンジニアから聞かされていた「Windows10のVersion 20H2が間もなくリリースされます。それにアップデートすればすっきりと直りますよ」という言葉に期待していたのだが、なかなか20H2がリリースされないばかりか、いざリリースされたそのOSにアップデートしても何の改善効果もなかった。その間、3台目のLaptop3はオフライン専用の作業用PCと化していた。

そして何度かの電話相談の挙句、やはり今回も機器交換することになった。すでに2021年の3月になっていた。購入から1年が近づき、新品保証期間が終わる前にすっきりさせたかったという事情もあった。この頃になるとMS側でも、同じような症状が各地で生じていることを把握していた。

この3台目のLaptopをMSに送り返す際、データを消すために初期化したのだが、MSのウェブサイトで示されている正しい手順で行ったのになぜかきちんと終了せず、再起動を繰り返すようになってしまった。こちらでは何もできないため、そのまま工場に送り返した。

3月最終週に到着した4台目のLaptop3(3台目の交換機)は最初から不安定だった。そのため色々と面倒な個人設定をする前に初期化した。すると一つ前の機器と同様、動作が完了せず、再起動を繰り返した。話にならないので再度MSのサービスデスクに電話。当然、機器交換となった。

4月の頭に到着した(この素早さだけはMSを褒めてあげたい)5台目のLaptop3(4台目の交換機)は今までで最悪だった。通信不良は起きない、もちろん不安定でもなく初期化も必要なく、再起動を繰り返すこともない。しかしすべてのソフトウエア等のインストールや個人設定の完了後に本格的に使い始めて分かったことだが、何の前触れもなくいきなりシャットダウンし再起動するのだ。

せっかく作業した内容をセーブする前に突如としてシャットダウンするので、かなりの作業を無駄にした(昔のマッキントッシュのようだ)。これを数度繰り返し、大いにフラストレーションが高まったところで、再度MSのサービスデスクに電話した。

最初のエンジニアはリモートで色々と対処しようとしてくれ、しかも数回にわたって電話をしてくれるなど、比較的まともだった(実は折り返し電話を寄こさないMSエンジニアが少なくない)が、結論的にはまったく効果がなかった。

5台目のLaptop3に関する2度目の問い合わせで担当してくれたエンジニア・S氏は今までのエンジニアと違っていた。事情を聴くとまず「再び機器交換はできますが、同じことを繰り返す可能性はあります」と正直に話してくれた。そして「こんなに何度も機器交換の迷惑をお掛けしているのはとんでもないことです。責任者に伝えます」と言ってくれた。この一連のトラブルの中で唯一「正常」な対応だったと言っていいだろう。

小生としてはとにかく一刻も早くまともな作業用PCが欲しかったので、この3月末に別のPCを購入していた(さすがにMSではなく別メーカー製だ)。さらに面倒な(データ保存〜初期化〜工場送付〜受け取り後の初期設定などで数日分の工数が掛かる)機器交換をしてもトラブルが解消される保証はないのだ。Sエンジニアの言葉を信じ、MSの誠実な対応に期待することにした。

その言葉通り、しばらくしてMSのエンジニアの責任者という方から電話が何度か掛かってきた。そしてそのたびにリモートで設定や使用状況を確認し、色々と設定を変えたり新しいソフトをDLしたりして「これで1週間ほど様子を見てください」と毎回期待させた。しかし我がLaptop3の「突然のシャットダウン症候群」は結局直らない(それでも当初の十数分に比べシャットダウン発生間隔が30分ほど空くようになったのは事実だ。さすがに「責任者クラス」だけある)。

この責任者は「後で解析します」といって、その度に使用状況のデータを吸い上げもした。しかしこの頃になると小生も新たに購入した作業用PCばかり使うようになり、このLaptop3はほとんど使わなくなっていたので、使用状況のデータは、数度使ってその度にシャットダウンが起きたことを示すだけになっていた。

こんなことを数週間続けたが、あるとき呼び出し音が鳴っている間に電話を取れなかった。それ以降この「責任者」からの連絡はばったりと来なくなってしまった。電話はもちろん、メールも一度も来ていない。小生も忙し過ぎたので、あの面倒なサービスデスクへの問い合わせをする気にならなかった(電話が通じるまで1時間前後待つのはザラで、その後もたらい回しされ、その度に同じ話をしないと担当のエンジニアに到達しない、等々)。

しかしその後2か月近く放置されたままだったのでさすがに不安に思い、小生から問い合わせしようと、7月になってから従来から掛けていた有料対応のMSのサービスデスクへ電話すると、何と「ウェブから問い合わせをせよ」という音声案内が流れるばかり(公式なサービスデスクは止めたようだ。MSを評価できる数少ない点だったのに)。仕方ないのでMSの該当ウェブサイトを探したが、実に分かりにくい。要は「電話を掛けてくるな。FAQを見て自分で解決しろ」という露骨な誘導なのだろう。

それでも(小生のトラブルがFAQで解決したことなどないので)何とか問い合わせの電話番号を探し当て、そこからSurfaceのサービスデスクへ回してもらった。出てきた担当者に事情を話したところ、「エンジニアにつなぎますので少々お待ちください」とされて電話をつないだ状態で(その間、この担当者が本件および別件で幾人かと話す声が丸聞こえだった)、1時間近く待たされた。途中一度不安になって話し掛けると、その担当者は「担当のエンジニアからの折り返し連絡を待っています」という反応だった。

散々待たされたその挙句、突如として電話は切れた。折り返し電話が掛かってくるかと期待したが、その後何の音沙汰もない。それどころか数日後、「お問い合わせの件、完了しましたね。満足度をお答えください」という趣旨のメールがMSから届いた。もちろん、満足度は最低だし、「そもそも問い合わせの件は完了していない」という返事を入力した。その後の反応は何もない。

今ではこのLaptop3に関しては、忘れた頃に起動してWindows Updateをやるくらいだ。それでも簡単な文章打ちなどをしていると「おや、直ったのかな?」と安心してしばらくセーブしないでいると、やはり突然にシャットダウンする。何度裏切られたことか。

断っておくが、小生がMSに対し何か悪質なクレームを行った過去はないし、現在もない。こうした嫌がらせのような仕打ちをされる覚えは、当然ない。