日本人の勤勉さは有名だが、中国人も負けず劣らず勤勉で、平均労働時間は今や日本を超えるまでになった。中国メディアの網易はこのほど、「中国の長い労働時間は本当に豊かさをもたらしているか」と問いかけ、その実態を指摘する記事を掲載した。

 記事は、中国統計局の調査によると中国人の1日の平均労働時間は9.2時間だったと伝えた。これは日本や韓国よりも長いと指摘している。なぜ中国の労働時間はこんなにも長いのだろうか。

 記事によると、1つの要因は「中国国内における競争」が原因だという。つまり、約14億人という人口を背景とした膨大な労働者の数に対して仕事が少ないので、多くの人は職を失わないように一生懸命働く必要があり、自主的に残業すると説明した。

 もう1つの要因は「だらだらと仕事をして時間ばかりかける人が少なくない」ことだ。今では996と呼ばれる「朝9時から夜9時まで、週に6日間働くこと」が奨励される風潮があるので、「残業しない社員は悪い社員」とのイメージが定着しており、仕事効率はともかく、とりあえず残業するという。

 しかし、こうした働き方は非常に非効率的で、例えば、ドイツの平均労働時間は中国よりずっと少ないにもかかわらず、生み出す利益は非常に多いと指摘した。それで、労働時間が長いことは必ずしも富や豊かさに直結するわけではないと結論している。

 中国では個人経営の小さな会社だと、週に1日の休みすらもらえず、休日は「月に2日」というところも少なくない。個人経営の店などでは旧正月の時くらいしか休みがないところがほとんどだ。労働法はあっても守られていないのが現状で、中国の労働環境は非常に厳しく、労働時間が長いだけで勤勉かどうかはまた別問題とも言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)