トヨタSUV「ハリアー」をなぜ教習車に採用? 導入後に話題沸騰 「乗りたい」教習生の声多数

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ハリアーを教習車に採用した自動車教習所 導入の経緯は?

 近年の新車市場では、世界的にSUVの人気が高まっているといわれていますが、その人気の波は運転免許を取得する前の若者の間にも波及しているといいます。

 そうした変化は、教習所に導入される教習車の車種にも影響を与えているというのですが、いったいどのような状況なのでしょうか。

トヨタ「ハリアー」の高速教習車(画像:コスモドライビングスクール公式ツイッターより)

【画像】これはカッコよすぎ!教習車化した「ハリアー」をささっと見る! (20枚)

 一般社団法人 日本自動車販売協会連合会の発表する国内の年間SUV販売台数(登録車)を見ると、2017年は45万5804台(前年比121.7%)、2018年は47万4731台(前年比104.2%)、2019年は51万3996台(前年比108.3%)、2020年は63万821台(前年比122.7%)を記録。

 SUV人気が年々上昇していることがうかがえます。

 そして、2020年に販売台数の多かったSUV(単一車種)を見ていくと、首位はトヨタのコンパクトSUV「ライズ」で販売台数は12万6038台を記録しています。

 2位はトヨタのミドルサイズSUV「ハリアー」(販売台数6万6067台)、3位は同じくトヨタのミドルサイズSUV「RAV4」(販売台数5万4848台)、4位はトヨタのコンパクトSUV「C-HR」(販売台数3万3676台)、5位はホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」(販売台数3万2931台)という状況。

 ホンダのSUVのなかで主力車種となるヴェゼルがモデル末期だった(2021年4月に全面刷新)という事情もあるものの、トヨタ車が優勢という結果となりました。

 そんななか、2020年にもっとも販売台数の多いミドルサイズSUVとなった「ハリアー」を高速教習車として導入している自動車教習所があるといいます。

 現行モデルのハリアーは2020年6月に導入された比較的新しいSUVですが、「現行ハリアーの教習車を見かけた」という旨をSNSに投稿するユーザーも複数存在。一部で話題となっています。

 実際にハリアー教習車を導入している広島県・福山市のコスモドライビングスクールに、導入の経緯について聞きました。

「高速教習車として新しいクルマの導入を検討した際、教習生に喜んでいただける車種が良いと考えました。

 その際、スタッフの間ではBMWやメルセデス・ベンツなどの輸入車が候補として挙がりましたが、実際に教習生に希望を聞いてみるとSUVに乗りたいという声が多く、なかでも国産SUVのハリアーがとくに人気でした。

 またハリアーを教習車として導入している教習所は全国でも少ないようでした。そのため、ほかの教習所がまだやっておらず、かつ教習生のみなさんに喜んでもらえる施策として、ハリアーの導入を決定しました」

 教習生からはどのような反響があるのでしょうか。

「2月から運用がスタートしており、教習生からの評判は上々です。ハリアー教習車の実車を見て『あのクルマに乗りたい』という方もいらっしゃり、(ハリアーが該当するコマの)予約が殺到するほど人気です」(コスモドライビングスクール担当者)

 愛知県・春日井市の昭和自動車学校でも、ハリアー教習車が導入されています。教習生からの反応はどうなのでしょうか。

「カッコいいデザインに惹かれ、ハリアーを高速教習車として導入しました。評判もよく、高速教習でハリアーに乗れなかった教習生のなかには『悔しい』と漏らす声も聞かれました」(昭和自動車学校担当者)

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 免許を取得する前の若者の間でも評価が高いことから、SUV人気は一過性のものではなくなりつつあるといえるのかもしれません。