アリーシャ・マリー氏とレミ・クルーズ氏は、YouTuberとしてそのキャリアをスタートしたが、いまや彼女たちのビジネスはさまざまな広がりを見せている。マリー氏が自身のYouTubeのチャンネルを開設したのは2008年、クルーズ氏は2012年だ。以降ふたりは、ポッドキャストシリーズの『プリティ・ベーシック(Pretty Basic)』を2018年に開始するなど、プラットフォームや収益源を多様化させていった。マリー氏は、Digiday Podcastの最新エピソードのなかで、「私たちは決して、最初から起業家を目指して活動してきたわけではない。ときの流れのなかで、結果としてそうなったにすぎない」と語る。今回のPodcastは、米DIGIDAYのケイリー・バーバーとティム・ピーターソンのふたりが、ニュースレタープラットフォーム、Substack(サブスタック)のライターや、TikTokのスターといった独立系のコンテンツクリエイターにインタビューするシリーズの第1回目。メディア業界において、ブロガーやブイロガー、インフルエンサー、フリーランサーの存在感が高まっていくなか、彼らがどのように自らのメディアを作り上げているのかを探っていく。以下は、そのトークのハイライトだ。意図をより明確にするために編集を加えている。

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ブランドはクリエイターを信頼することを学んだ

レミ・クルーズ氏(以下、クルーズ氏):以前までは、クリエイターと協業するということはどういうことかを理解せず、厳密なガイドラインを設けているブランドが多かった。それもあり、かつては窮屈な思いをしているクリエイターも少なくなかった。しかし、いまではそれを理解しているブランドが10くらいはある。そういうブランドたちは、「ブランドについて、好きなように話していい。我々は、クリエイティビティを発揮するための自由度をすべて与える」というスタンスだ。そういう場合には、結果も自ずと最高のものになる。

ハリウッドも変化している

アリーシャ・マリー氏(以下、マリー氏):最近は「ああ、私たちは起業家なんだ」と感じるようになった。これは、私たちだけではないはずだ。多くのクリエイターが、ドリンクなどの商品や音楽、テレビ番組で頭角を現している。ハリウッドの伝統的な世界観も、間違いなく変化していると思う。

クリエイターは、子供たちが夢見る職業になった

クルーズ氏:以前は、「子供たちの憧れ」として見られることが恥ずかしかった。というのも、私たちはインフルエンサーという言葉が広まる前から、動画を撮影して公開していたが、当時そうした活動は嘲笑の的だった。しかし状況は変わった。私の親友で幼稚園教諭を務めている人物によると、子供たちに将来の夢について訊くと、半数以上が「カッコイイからインフルエンサーになりたい」と答えるそうだ。

TikTokのスターはYouTubeへの進出を望んでいる

マリー氏:何人かのTikTokユーザーと話してみると、彼らの多くはYouTubeを最終的なゴールと定めている。手段のひとつでしかないのは悲しいことだが、TikTokのクリエイターがYouTubeに目を向けるのには、さまざまな理由がある。ひとつは、TikTokでは数百万ものフォロワーを獲得するのはすごく簡単だが、直接的には収益につながりにくいという点だ。フォロワーをたくさん抱えていても、それで稼ぐのは難しい。[原文:YouTube stars Alisha Marie and Remi Cruz show how creators have become their own class of media company]TIM PETERSON(翻訳:SI Japan、編集:村上莞)