中国のポータルサイトに「日本のハンコ文化は泣いていいのか笑っていいのかわからないほど不思議だ」とする記事が掲載された。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国のポータルサイト・百度に20日、「日本のハンコ文化は泣いていいのか笑っていいのかわからないほど不思議だ」とする記事が掲載された。

 記事は、中国から日本の会社に2年間派遣された作者が自ら体験したハンコにまつわるエピソードを紹介。中国も会社や組織の印章を押す習慣があるものの、押印の向きが多少曲がったり位置がずれたりしてしまっても気にすることはほとんどといっていいほどなく、オフィシャル性が高い文書の押印にはそれなりに気を遣うものの、だからといってハンコが曲がっているからトラブルになったりすることはないとした。

 その上で、日本の会社で社内決裁文書にハンコを押しているうちに、他人が押したハンコがそれぞれ同じ向きに少しずつ傾いていることに気づいたとし、日本人の同僚に話を聞いた結果、それが「マナー」であることが分かったとした。そして、一番上の管理職のハンコだけまっすぐ押され、部下のハンコが傾いて押されていることが「上司に対する部下からの敬意」を示し、部下は上司のハンコに対して「お辞儀」をするように押すのだと説明している。

 記事は、日本の企業に存在するこの「不文律」を知った時に、驚きを覚えるとともに、不思議さ、さらには可笑しささえもが込み上げてきたと紹介。「上司はこんなことで優越感を得ようとするのか。なんというクレイジーな国だ」という感想を抱いたとした。

 そして、みんながそのようにすることを決して望んでいるわけではなく、無意識に、あるいは仕方なくやっていることに気づき、この「ルール」を自分で打ち破ろうと考えたものの、結局「どうせ2年でいなくなるのだから、郷に入っては郷に従えだ」と思い直して黙って従うことにしたと伝え、その結果、中国に戻ってからもハンコの角度を気にする「クセ」がついてしまい、これを直すのに1年もかかってしまったと紹介している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)