デビューした古巣ベンフィカに復帰したルイ・コスタ

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25日、ポルトガルの名門ベンフィカが元ポルトガル代表でACミランMFマヌエル・ルイ・コスタ(34)の獲得を公式発表した。世界有数の名門ACミランとの契約をまだ残しているルイ・コスタだが、サッカー選手としてプロデビューを果たしたベンフィカへの復帰を選んだ。

91−92シーズン、ベンフィカでプロデビューしたルイ・コスタはその活躍が認められ94−95シーズンにセリエAの名門フィオレンティーナに電撃移籍。移籍先は世界有数の芸術の街フィレンツェ、イタリアで最もカルチョを見る目が厳しいと言われるビオラ(フィオレンティーナ)サポーターからの背番号「10」に対する批判が喝采に変わるまで時間はかからなかった。結果重視のセリエAで異例と言える攻撃サッカー。美しい街と調和するように展開される当時のビオラは司令塔ルイ・コスタ、点取り屋バティストゥータを軸に黄金時代を築いた。

転機は突然訪れた。01−02シーズンを前にACミラン移籍を余儀なくされる。当時の会長チェッキ・ゴーリの運営する映画配給会社の経営破綻が原因だった。前年にはバティストゥータをASローマに、翌年にはルイ・コスタを売却。ビオラの象徴売却とセリエC2落ちという二重の屈辱を味わったサポーターの怒りは独裁者チェッキ・ゴーリに向いた。

名門ACミランでも「10」を背負ったルイ・コスタだが、かつての輝きは失っていた。若手のカカに司令塔を奪われ先発出場は激減。「どこのポジションでもプレイする」と公言するもボランチ、カカとのW司令塔は機能する事無く終わった。今季終了前には「デビューを果たしたベンフィカに戻りたい」とまで漏らすようになった。

契約内容は現時点では未発表だが、年俸ダウンは否めない。プロ選手としての晩年にあえて初心に戻ることを選択したルイ・コスタ、故郷での活躍が期待される。