2021年に入ってからは、リーグ戦5試合の終盤からの出場に止まっていた、アイントラハト・フランクフルトのセバスチャン・ローデ。だが古巣でもある王者バイエルン戦では、出場停止となったジブリル・ソウの代役として先発出場を果たし、そしてそこでは中盤の切り替え役として、高いレベルでのパフォーマンスによってその期待にしっかりと応えてみせた。だがローデが際立っていたのは、ピッチ上でみせたパフォーマンスだけにとどまるものではない。

 言葉という点においても途中から出場したアッヘ、バルコク、イルザンカーらに「見事な戦いぶりをみせていたし、とても重要だった」と評価を忘れず、また自身のライバルでありこの日にパートナーを組んだ長谷部誠についても、「どの局面においてもそのテクニック、冷静さと明晰さから、どんな時間帯においても助けになってくれる存在だ」と評価。MVPに輝いたアミン・ユネスには「このままいけば、ドイツ代表へまっしぐらだね」と惜しみない賛辞を送った。

 そしてその一方で自身についての話題がおよぶと、「どの選手がプレーしていようが、それは大した問題ではないよ」と謙虚な答えを返しており、「ジブリルが欠場したから、僕は彼の役割の穴埋めをしたんだ。来週では僕たちがどうなるかは、それは監督の決断をみていくことになるよ」とコメント。

 決してその発言に嫌味のようなネガティブさは決して感じられず、むしろ地元クラブへの強い信念のように感じられる。「メンタリティ、スピリットという部分は、僕たちの強みだ。そしてベンチから出る選手が負担を軽くしていくということ」それが決定的な成功への要因にもなる。それこそがまさに、セバスチャン・ローデ自身が身を以て証明していることだ。