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りんなのAI技術で作成した絵が、ついにTVアニメのオープニングで採用されるレベルに達した。

rinna株式会社は、研究開発を進めている高度なAI技術「GAN」を応用して自動生成した絵画とパターンデザインが、TVアニメ『BEASTARS』の第2期オープニングテーマ曲『怪物』でシーンの背景画に採用されたことを発表した。楽曲は音楽ユニット「YOASOBI」が担当している。

rinna社はAI技術によって自動生成した絵画とパターンデザインを提供。楽曲『怪物』のシーン背景画に採用されたAI技術による絵画とパターンデザイン(C)板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会

TVアニメ『BEASTARS』は、「漫画大賞2018」など主要漫画大賞4冠を受賞した人気漫画(作:板垣巴留)を原作としたアニメ作品。第1期は2019年10月から12月まで放送され人気を博した。第2期は、2021年1月6日からフジテレビ「+Ultra」、Netflixにて放送が開始されている。オープニング動画はYouTubeで公開されていて、この記事を執筆している時点で180万回再生を超えている。

■TVアニメ「BEASTARS」 第2期オープニング ノンクレジット版/YOASOBI『怪物』:

TVアニメ『BEASTARS ビースターズ』公式サイトより https://bst-anime.com/ (C)板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会

●rinna社のAI技術とGAN

GANはGeneral Adversarial Networkの略で日本語では「敵対的生成ネットワーク」。「教師なし学習」の一種で、2つの敵対するAIが競いながら実在しないデータを自動生成することで、AIによる精度の高い創造(クリエイション)が行える生成モデル。いわば、2つの頭脳がお互いを超えるように切磋琢磨することで、AIならではの独創的な作品を創り出すしくみだ。

AI技術で生成した描画の例

rinna株式会社は、マイクロソフトのAI&リサーチ部門のAIキャラクター事業(シャオアイス:XiaoIce)事業を分離して設立された企業。女子高生AIりんなやシャオアイスなど、AIチャットボットの研究を行っていたチームがスピンアウトして2020年6月に設立された。ディープラーニング技術を活用し、AIが文脈に応じた会話文を自動生成して人間と自然に会話する「共感チャットモデル」や、AIが話し声や歌声で豊かに感情表現することを可能にする「音声合成システム」などの技術、GANを応用したテキストから画像を描く技術などを発表してきた。

AIによる描画とパターンデザインの技術

rinna社のAI技術は、アート史上著名な200人以上の画家の作品をラーニングさせた描画モデルと、GANを応用したテキストから画像を描く技術によって、テキストや他の創作物から着想を得てオリジナルの絵画を描くことができる。

この技術を用いると、特定の時代・地域の作風や、過去の画家のスタイルを現代によみがえらせたり、新たな創作を行うことが可能となる。また、同社の技術の特徴は、過去の作風やスタイルで新たな創作をする際に、ランダムに描画生成をしているわけではなく、描画スタイルの単なる転写や過去の描画スタイルをフィルターとして用いて画像加工をしているわけでもないという点。

30以上の主要スタイルをベースに、10の26乗個の多様なパターンデザインが可能で、カスタマイズされたパターンをオンデマンドで作成し、工業デザイン、服地デザイン、パッケージデザインなどの分野で利用することができるという。

AIによる絵画やパターンデザインは、アート、エンターテインメント、工業デザイン、服地デザイン、パッケージデザインなど、今後様々なシーンでの活用が期待されている。

●今後の展開

rinna社は、開発した描画モデルを当社が運営するLINE上のAIチャットボット「りんな」に実装。りんなは2020年4月に、東京藝術大学 エンターテインメントの研究グループの研究員に就任しており、AI画家として研究と創作活動を行っている。(ロボスタ編集部)