内田篤人がいた頃はあんなに強かったのに…… “1年未勝利”の危機迎える名門
今から10年前の2010−11シーズンのチャンピオンズリーグ・ベスト4の顔ぶれを覚えているだろうか。バルセロナ、レアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッド、そしてドイツのシャルケだ。
当時のシャルケといえば元日本代表DF内田篤人も所属しており、準々決勝では長友佑都が所属していたインテルとの対戦が実現。チャンピオンズリーグ・ベスト8の舞台で日本人サイドバックが激突することになり、日本サッカー界の新時代幕開けを感じさせるシーズンだった。
ところが、今では1勝を挙げることにも苦戦する最下位クラブになってしまった。今季13試合を消化した時点での成績は0勝4分9敗。8得点36失点と限りなく最悪に近い成績になっている。最後にリーグ戦で勝利したのは今年1月17日のボルシアMG戦のことで、現在は29試合連続で勝利がない。このままいけば、1年間ブンデスリーガで勝利なしなんて事態が起こるかもしれない。
10年前の2010−11シーズンにはリーグ戦で13得点を挙げたベテランのFWラウール・ゴンザレス、それに次ぐ8得点を挙げたFWクラース・ヤン・フンテラール、さらに右サイドで内田とコンビを組むことが多かったジェフェルソン・ファルファンが3得点6アシストの成績を残すなど、シャルケは豪華なチームだった。
もう少し細かい数字を見ると、ファルファンは当時マルコ・マリン、フランク・リベリ、ジエゴ、アンドレ・シュールレに次いでリーグ5番目となる73回のドリブルを成功させ、右サイドバックの内田もサイドバック部門では第9位となる14本のキーパス(シュートに直結するパス)を記録するなど、当時の右サイドが強烈だったことが分かる。
それが今季は複数得点を挙げている者がまだ2人しかいない。2点のFWマルク・ウートとベニト・ラマンのみ。10年前とは大きく異なる状態となっており、チャンピオンズリーグ・ベスト4の戦いを知るサポーターは受け入れられないだろう。
とにかくまずは今季初勝利が欲しい。年明けの2日にヘルタ・ベルリン戦、その1週間後にホッフェンハイム戦が控えているが、良い形で2021年をスタートさせられるか。(データは『WhoScored.com』より)