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これまで闇に堕ちたウルトラマンとして、『劇場版ウルトラマンR/B』や『ウルトラマンタイガ』でヴィランを張ったウルトラマントレギアが、現在好評配信中の『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』では闇に堕ちる前の本来の姿、いわゆるアーリースタイルで登場し、なぜ今のような姿になってしまったのかがついに明らかになった。そんなトレギアを演じる内田雄馬さんに、トレギアへの想い、ウルトラマンシリーズについてお聞きした。



最初は悪にしすぎないでほしいと言われました
――ウルトラマントレギアを演じることになったきっかけを教えてください。オーディションですか。

内田 僕の他の出演作品を見てくださり、トレギアというキャラクターにぴったりということでオファーをいただいた、と聞きました。

――ウルトラマンシリーズに関わると決まったときどんな印象でしたか。

内田 うれしかったですね。もちろん僕自身がウルトラマンシリーズを観ていたことがありましたので、お話をいただいたのは非常に光栄でした。

――しかし、ヒーローではなくウルトラマントレギアという悪者だったわけですが。

内田 そうですね。最初はどうやっていくんだろう、という不安がありました。

――役作りはどのようにしたのでしょう。

内田 当初、情報が少なくてあまりガッチリと決めていなかったんです。ある程度の資料はいただいたのですが、バックボーンに関しても特別なものはなかったので、こういうキャラクターなんじゃないかと、自分の中で固めていって、そこからディレクションしていただき、肉付けしていただいたっていう感じですね。

――ディレクションの中で覚えてること、印象に残っていることはありますか。

内田 最初の収録、『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』のときは、「悪にしすぎないでほしい」と言われました。トレギアにはトレギアなりの正義を持っているということ。それに最初の台詞が「君の願いを叶えてあげよう」っていう、善い者なのか悪い者なのかわからない状態であらわれるんです。最初の映画では、そういう雰囲気で演じてほしいというオーダーを受けてやらせていただきました。

――初めにトレギアの刺々しい姿を見た時の印象は。

内田 強そうですよね。単純にかっこいいと思いました。ウルトラマンって本来はシンプルなものが多いのに、トレギアには装具のようなものがついていますよね。アーリースタイルと比べても、元のデザインに、いろいろなものがくっついているようなあの見た目はかなり衝撃ですし、強そうだなという印象ですよね。見てくださった方や、周りの方から「トレギアすごくやばい、強そう」というようなお言葉をいただくことが多かったですね。

――シンプルなデザインが多い、他のウルトラマンとはだいぶ印象が違いますよね。

内田 ベリアルとは違うタイプの悪役にしたかったようですね。ベリアルはどちらかというとパワーで押していくタイプの悪いウルトラマンだったんですが、それに対してトレギアは知性的に敵を追い詰めていく、そういうウルトラマンにしたかったと聞きました。

――敵としては、厄介ですね。

内田 そうですね。心を揺さぶる、精神への攻撃ですから。人間の悩みってコミュニケーションに関することが多いと思います。それは多分ウルトラマンだろうが人間だろうが変わらないと思うので、結局複雑な人間関係のなかで自分がどうあるかを迷うわけなんですよね。そういう迷いを理解して、利用してくる敵は恐ろしいですよね。


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トレギアが闇に堕ちた理由


――本作の第2章Episode5でウルトラマントレギアがアーリースタイル、本来のトレギアの姿で登場します。なぜトレギアが闇に堕ちたのかが明らかになりました。

内田 トレギアはアーリースタイルの時代にとらわれたままなんだろうと思います。宇宙警備隊に入れなかった劣等感を持ち続け、力に取り憑かれて今のトレギアになり、歴史の闇に隠れたまま生き続けてきたんですね。親友のタロウがもう少しトレギアのことを解ってくれていたら。「君には君の場所があって、僕が守る」って善意で言いますが、それを羨ましいと思う心とか、自分には力がないと思う弱い部分に気付いてくれれば。ちょっと切ない話ですね。みんなのために戦いたいという気持ちが強くて、タロウに憧れてるのに、どんどん引き離されていく。タロウとはもっと本音で話せていたら違っていたでしょうね。

――アーリートレギアのビジュアルはいかがですか。

内田 まさしくウルトラマンっていう感じですよね。元々トレギアの青いところが好きでしたし、シャープな印象で格好いいと思います。あと、すごく清潔な感じがありますよね。多分元々は、清らかな心の人だったんだろうなという印象を受けます。ただ、自分なりに光のために戦いたいという希望があったのに、宇宙警備隊に入れず、迷いが生まれてしまったんですね。ウルトラマンタロウに憧れすぎたのかもしれません。タロウみたいに強くなりたいという意識が大きすぎたんだと思います。
ウルトラの戦士であるからには、やっぱり自分の力で戦って大切なものを守りたい。その感覚がトレギアなりにもあったんだろうなって思います。でも実際には、向き不向きがある。トレギアにはトレギアに向いているものがあるので、トレギアなりの守り方があったと思うんですが、そうならなかったのは、やっぱりタロウへの憧れが強すぎたのかな…そんな気がします。

――これまでのトレギアとアーリースタイルでは、声の当て方は違いますか。

内田 悪意、憎しみがないだけで、ベーシックなラインは変えていません。一応僕の中では、トレギアは闇の力を手に入れてからは老いることはなく、年月を経た経験値のみ蓄積されている、と解釈しています。その経験値分、言葉の重みが違うという意識です。声を生み出す身体自体は一緒で、気持ちの方向で言葉や雰囲気が変わっていったのかな、という、そういう印象ですね。

――TVシリーズの『ウルトラマンタイガ』では、七瀬公さん演じる霧崎という人間態がいました。どのような意識だったのでしょう。

内田 基本同一という認識でした。七瀬君と直接話すこと、お会いする機会はなかったんですが、ふたりで一緒にトレギアを作っている感覚でしたね。トレギアがどういうキャラクターかは、お互い台本を読んで感じたもので演じていたと思います。僕の場合は収録された画に当てる作業なので、画を観てどうするか考えて作っていきました。シンクロして笑うシーンなどは、僕が後から合わせたり、テイストを取り入れていくという、そういう意識はしました。

――今作におけるトレギアの見どころはどこですか。

内田 トレギアが元々どういうウルトラマンだったのかを知ってもらえるのが大事かなと思います。闇に堕ちた理由を知った上で、今後のトレギアを楽しみにしてくれる方が増えると嬉しいです。

――ファンは増えそうですね。アーリースタイルもかっこいいですし。

内田 増えてほしい。ウルトラマンタイタスを演じている日野聡さんと現場でご一緒した時に聞いたのですが、イベントに出演した時、子どもが「タイタスの人形欲しい!」って言うと、お母さんが「フーマかトレギアにしなさい!」って(笑)。お母様方は細くて格好いいほうに目がいくんだって、日野さんは寂しそうでした(笑)。タイタスはゴリマッチョで面白いので子どもは好きなんですが、お母様方にはスマートなほうが人気みたいです。


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トレギアを永遠にやり続けます!

――内田さんのウルトラマンシリーズとの出会いはいつですか。

内田 最初のウルトラマンは『ウルトラマンティガ』だと思うんです。『ティガ』『ダイナ』そのへんだったと思います。『コスモス』までは見ていたような記憶がありますね。でも本当に小さい頃ですね。

――ごっこ遊びとかはしましたか。

内田 しましたよ。スペシウム光線を撃たない子どもっているんですか(笑)。誰しも人生で1回は撃ってると思います。僕も例にもれずです。

――人形や玩具はもっていましたか。

内田 うちに怪獣がいたのは覚えています。ピグモンが可愛かったので好きですね。あとはバルタン星人とかダダもいたような気がするんですが、ちょっと記憶が曖昧ですね。

――50年以上続くウルトラシリーズの魅力はどういうところだと思いますか。

内田 積み重ねてきた歴史を非常に大切にしているところと、新しいことにチャレンジを続けるという2点だと思います。昔のウルトラマンをリスペクトしたうえで新しい作品を組み立てていく。長く支持をされているものを改めて構築するのってすごく手間だし大変だと思うんです。子どもたちが正義の巨人と怪獣の戦いを見て、単純に「ウルトラマン格好いいな」と思う気持ちを生む。それをすごく大切にしているように思います。子どもたちがウルトラマンを見て希望や夢を抱くという部分を大切にしていると思うんです。考えることを学ばせてもらう。正義を貫くとはどういうことか、そもそも正義って何とか。大人になってから考えさせてくれることもあるんじゃないかな。

――正義は立場によって変わってきますからね。

内田 まさしくトレギアです。トレギアの正義は子どもには難しいと思いますが、その「何だろう」が生まれるのは大きいですよね。それが種となって芽吹いていくと、なるほどああいうことだったのかって思えるから、そのきっかけを与えるのは、すごいことだと思います。

――ファンの方、子どもたちへメッセージをお願いします。

内田 トレギア大好きおじさんでございます(笑)。ウルトラマンは長い間たくさんの方に愛され、今の時代を作っていく子どもたちも見て、楽しんでいただいています。作品に参加させていただいているひとりの僕にも「ウルトラマンが大好き」という皆さんの大きな思いが届いています。この先トレギアだけでもどうなるんだろうという興味や期待、ドキドキがあるんですが、それ以上にウルトラマンの世界がどう展開して、どんなウルトラマンが目の前のものに立ち向かい答えを出していくのか。内田としてもすごく気になりますし、楽しみにしています。ぜひとも末永く続いていくウルトラマンシリーズを愛していただけるとうれしいです。トレギアもがんばるので、見かけたら応援してあげてください(笑)。

――今の子どもが大きくなって、小さい頃好きだったウルトラマンはトレギアですっていう方がでてくると思います。

内田 わぁ、言ってほしいな。単純にうれしいですよね。こういう仕事をしていて、子どもたちに何かを届けられるのはうれしいです。トレギアから何かを受け取って、将来に活かしてくれたらいいなって思います。内田も頑張ります。永遠にやりつづけます(笑)。「トレギアの役、変えるか」ってならないように!


Profile
うちだ ゆうま
9月21日生まれ。東京都出身。2019年公開の『劇場版 ウルトラマンR/Bセレクト!絆のクリスタル』よりウルトラマントレギアを演じている。アニメでは『呪術廻戦』の伏黒恵役など多数出演。

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