【ファンキー通信】淡い恋の思い出は、「失恋博物館」に寄贈!?

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 失恋って、辛いですよね。思い出の曲を聴き、写真を見るだけで涙が出るし、封印しようと思った気持ちは次から次へとあふれてくるし・・・。一体どうすればいいの!? とそんなアナタにオススメなのが、クロアチアのザグレブ市に誕生した「失恋博物館」。設立に至ったきっかけを、設立者のOlinka Visticaさんに伺ってみました。

 「構想は3年前に生まれたもの。4年間付き合っていた恋人と別れた後の辛い時期に、『この恋を忘れない為にはどうしたらいいんだろう?』と思って、その方法を模索していたのが始まりです。世の中に『昔の恋の忘れ方』の対処法はいっぱいあるけれど、それを素敵な思い出にする方法ってあまりないじゃないですか」(Olinka Visticaさん)

 そう言われてみればそうですよね。

 「人は失恋すると、悲しい気持ちを思い出させる物は全て消したくなるんです。でも、本当は心の奥底で『その恋を素敵な思い出にしたい』とも思っているんですよ。それに、幸せな時間を共有した人達は、例え別れてしまった後でも、その幸せな感情を受け継ぐもの。だからこそ、そういった過去の恋やその記念品を展示できる博物館があればいいんじゃないか、と考えたんです」(同)

 もともとはクロアチア内の大きな展示会に向けて準備が進められたというこの博物館。現在は仮住まい的スペースで展開しているそう。

 「可愛くノスタルジックな船のコンテナ内で70品を展示しています。船のコンテナは崩壊した関係を思わせる、格好の場所なんですよ。少しスペースは狭いですが、その分WEBサイト上でも展示ができるように展開をすすめています」(同)

 寄贈品はラブレターや写真をはじめ、テディベア、100本の枯れた薔薇、使用済みのストロー、カフス、ブーツ、頭皮マッサージ機(?)、鼻をかんだ後のチリ紙(!)など、すでに200品以上。寄贈者の年齢も16歳から60歳以上までと幅広く、中には祖母の品物だと言って、1926年に使用されていた日記帳を持ってきた人もいるんだとか。

 「展示はほとんどが匿名ですが、それぞれの恋の期間が克明に記され、固有のエピソードも添えられています。また、博物館には『告白(懺悔)部屋』も設けていて、訪れた人は恋人への愛の告白や懺悔などを録音することもできるんですよ」(同)

 添えられたエピソードは、「僕らは中古で黄色のべスパを買ってイタリア映画に出てくるみたいに2人で乗りたいって夢見てたんだ。でも、結局1度も乗る機会がなかったよ」と、バイクを寄贈した方や、「別れ際に彼の携帯電話をくれたの。もう二度と彼に電話ができないようにってね」と携帯電話を寄贈した方など、本当に多種多様。今のところ博物館への入場制限や入館料などはなく、誰でも自由に出入りが可能なんだという。

 ちなみに、この博物館の共同設立者であるDrazen Grubisicさん、実は前述したVisticaさんの元恋人だというからビックリ! いやはや恋って不思議なもんですね〜。(清川睦子/verb)

■関連リンク
失恋博物館(Museum of Broken Relationships)