日本放送協会(NHK)は、10月に総務省で開催された「公共放送の在り方に関する検討分科会」(第10回)において、NHKの構造改革にあたって必要な制度改正として、「受信設備の設置届出義務」と「未契約者氏名等の照会」の導入などを要望した。

NHKがテレビなど受信機の設置届出の義務化・未契約者照会を要望 (NHKの説明資料より)


NHKが10月16日の分科会で提示した資料によれば、構造改革に必要な制度改正として「中間持株会社の設置」、「受信設備の設置届出義務」と「未契約者氏名等(居住者情報)の照会」の導入、「受信料還元に関する科目の設置」を要望している。

構造改革を進めるにあたり「訪問によらない営業活動の実現」を目指しており、その課題として「未契約者や住所変更したまま連絡のない人を把握する必要があるが、誰が受信契約の対象か、受信機を設置しているかが把握できない」と説明。訪問巡回活動に多大なコストが必要で、さらに「粘り強く対応することによるクレームやトラブルが発生している」という。

(NHKの説明資料より)


テレビやレコーダーなどの受信機を購入・設置した人による設置届出を義務化し、さらに未契約者情報の照会ができるようにセットで制度整備することで、訪問によらない営業活動を実現でき、公平負担の徹底、営業経費の削減、クレーム抑止が可能になるとしている。

(NHKの説明資料より)


届出と未契約者情報照会の具体的な運用イメージも提案。この中で、受信機を設置していない世帯には未設置の届出を依頼するほか、既に契約している人はあらためての届出は不要としている。なお、NHKの受信契約や受信料にかかる放送法 第六十四条では、NHK放送を受信できるテレビなどの機器を設置した人は「協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と規定されているが、未設置の場合については触れられていない。

公共放送と受信料制度の在り方に関する論点整理及び検討は、11月9日に開催予定の同分科会(第11回)で引き続き行われる。

(NHKの説明資料より)