光岡車初となる型式認定を受けたモデル!

 もはや改めてお伝えするまでもないことではあるが、日本の公道上を走行するためには車検を受けて登録をし、ナンバープレートの交付を受けなければならない。そしてご存じのとおり車検をパスするには数多くの要件が存在しており、そのすべてをクリアしなければならないのである。

 そのため、度を越した改造車などは車検をパスすることができず、一般公道を走行することができなくなってしまうのだ。しかし、裏を返せばどんな形でも車検の要件をクリアしていればナンバーが付くということ。今回はそんなナンバー付きとは思えない市販車をご紹介しよう。

1)ミツオカ・ゼロワン

 日本で10番目の乗用自動車メーカーとなったミツオカだが、そのきっかけとなった初の型式認定を受けたミツオカ車が1994年に登場した「ゼロワン」である。正確には94年にデビューした時点では組立車扱いであったが、たび重なる折衝によって96年4月に晴れて「E-MS01」型として型式指定を受けたのである。

 このゼロワンは自社製の鋼管フレームを採用しており、前後サスペンションはダブルウイッシュボーン式でエンジンはマツダから供給を受けたロードスター用のものを搭載していた。

 ドアや屋根はないフルオープン仕様となっていた(簡易的な幌はあった)。ロータス・セブンを思わせる見た目ではあったものの、足回りの形状やボディサイズなど、じつはほぼオリジナルであった。

 96年11月にはゼロワンをベースとしてよりクラシカルなエクステリアをまとった「クラシック・タイプF」も登場。クラシカルな見た目に反してエアコンや4速ATの設定もされていた。

「四輪バイク」や「WEC参戦車両」も公道走行が可能!

2)KTMクロスボウ

 オーストリアのオフロードバイクメーカーとして知られているKTMが、2008年に初めてリリースした自動車がクロスボウだ。

 フォーミュラカーのようなルックスのクロスボウは、イタリアのレーシングカーコンストラクターであるダラーラ製のカーボンモノコックシャシーにフォルクスワーゲングループから供給された2リッターインタークーラーターボエンジンを搭載するもの。

 屋根はおろか、フロントガラスやドアすらなく、エアコン、オーディオの類も装着されないという、まさに4輪のバイクといったいで立ち。後に追加された「GT」グレードではコックピットまわりにウインドウが備わり、エアコンも装着されているが、相変わらず屋根は存在していない。

※画像はクロスボウGTのもの

3)トヨタGRスーパースポーツコンセプト

 2018年1月の東京オートサロンのトヨタブースに突如展示された「GRスーパースポーツコンセプト」は、ル・マン24時間レースをはじめとするWEC(FIA世界耐久選手権)に参戦しているTS050 HYBRIDにほど近いものとアナウンスされた。

 しかし、一番の違いは前後にナンバープレート(実際はGRの飾りプレートだったが)が備わる点であり、トヨタはこれを公道走行可能な車両として販売すると発表したのである。

 カーボンモノコックのシャシーにV6 2.4リッターツインターボ+モーターのハイブリッドシステムやサスペンション形式などはTS050とほぼ共通だという。未だに発売日などは未定であるが、実際に発売されてナンバーが付いた車両を公道で見かける日を楽しみにしたいところだ。