新型コロナ関連の破たん309件に 増勢を維持 東京商工リサーチ

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 東京商工リサーチは3日、中国武漢発・新型コロナウイルス感染症がきっかけで破たんした事業者数が、累計で309件に達したと発表。先週から24件増え、単月で103件を記録した6月のペースを維持したまま7月に入った。

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 地域別では東京都が74件と全体の約24%を占め、圧倒的に多い。経営破たんは法的に複数の方法が認められているところ、東京都で再び新規感染者が増えるなどコロナの終息と経済回復に目処が立たない中、再建を目指さない「破産」を選ぶ経営者が増えている。

 東京都では、緊急事態宣言の解除から1カ月経った6月25日頃より、新宿エリアを中心に新規感染者数が明らかに増え始め、26日より50人以上の新規感染が常態化。6月19日より県境を跨ぐ移動への自粛要請が解除されたこともあり、東京都での感染再拡大に合わせ、隣接する神奈川県、埼玉県、千葉県でも感染者数が増加している。

 5日に都知事選を控える小池都知事は3日、記者会見を開き、感染拡大を防止し都民の命を守ることを優先しつつ経済活動の停滞を最小限に抑える姿勢を見せた。また、感染者数の増加は検査数の増加によるところが大きいと説明しつつも、感染経路の分からない事例が多く含まれる点を懸念していると伝えた。感染者の多くが行動範囲の広い20〜30代である現状を踏まえ、一部の専門家らは、高齢者に感染が広がるリスクを指摘する。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間4日午後4時時点で1,108万人超、死者数は52万人を超えた。直近1週間だけで、アメリカで33万人、ブラジルで26万人、インドで14万人の感染者が増えた。直近1週間における1日あたりの世界の新規感染者数は約18万人と、先週の16万人から更に増えた。

 国別の累計感染者数は、米国の279万人超を筆頭に、ブラジル153万人、ロシア66万人、インド64万、ペルー29万人、チリ28万人、英国28万人、スペイン25万人、メキシコ24万人、イタリア24万人、イラン23万人が続く。

 世界的パンデミックの原因となった中国は6月30日、G7をはじめ世界各国からの反対を受けつつも、香港国家安全法を公布、香港政府は同日施行した。同法は当局による解釈の余地が大きいと言わざるを得ない条文が並び、施行翌日には香港で2桁の逮捕者が出ているところ、多くの外国企業が香港でのビジネス継続にリスクを感じている。

  かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数を集計した。3日17:00時点で309件に達し、このうち243件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。業種別では、引き続き飲食業が49件と多く、宿泊業40件、アパレル関連39件が続く。