無理して起きると、頭痛や食欲不振、疲労などにつながる(写真/GettyImages)

写真拡大

 なぜだかいつも眠い…と感じている人もいるのではないだろうか。寝不足が続いていれば仕方ないとも思えるが、「しっかり寝ているのになぜか眠い」というケースもあるだろう。そこには重大なリスクが隠れているかもしれない。

【図解】異常な「眠気」の病気リスクが症状別に早わかり

 雨晴クリニック副院長で睡眠専門医の坪田聡さんは、充分な睡眠を取っているのに眠い場合は、ナルコレプシーの可能性があると指摘する。

「ナルコレプシーは過眠症の一種で、本人の意思に関係なく、日中に突然眠ってしまう病気です。時間や場所、環境を問わず突然強い眠気に襲われ、起こされても目が覚めない。たとえ人との会話中でも、普通なら緊張して目が冴えてしまうような場面でも、関係なく眠ってしまう。30分ほど眠ると目が覚めますが、数時間経つとまた眠くなります」(坪田さん・以下同)

 これは、覚醒を促す脳内物質「オレキシン」の働きが生まれつき悪いのが原因だと考えられている。

「ナルコレプシー患者の血中オレキシン濃度は非常に低い。自分で眠りをコントロールできなくなります」

 また、充分な睡眠を取っているはずなのに眠気がある場合、「甲状腺機能低下症」の可能性もある。

「新陳代謝を促し、元気に活動するために必要な『甲状腺ホルモン』の分泌量が減ることで眠気が起こります。常にだるさや疲労感が消えず、頭も働かなくなる。特に女性に多い病気です」

 異常なほど早寝早起きしてしまうという場合は、「睡眠相前進症候群」、反対に、日常生活に支障をきたすほどの夜更かし朝寝坊なら「睡眠相後退症候群」だといえる。

「睡眠相前進症候群は高齢者に多く、夕食後の18〜20時には起きていられなくなり、明け方の2〜3時に目覚めます。

 睡眠相後退症候群は若者に多い。朝起きられずに学校に間に合わず、なんとか登校しても授業中はずっと寝ている。無理して早く起きると、頭痛や頭重感、食欲不振、疲労感、集中力の低下などが表れることも多いのです。

 いずれも“起きていなければいけない時間”と“眠りたい時間”が重なっているせいで、社会生活に大きな悪影響を及ぼします」

 眠っている間に数秒間以上呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」だった場合、命の危険を伴う。

「睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸状態の間、本人に意識はなくても、脳波を測定すると目が覚めているときと同じ状態。呼吸が止まるたびに起きているようなものなので、知らないうちに重度の睡眠不足になっているのです」

 その結果、高血圧症や動脈硬化が進行して心筋梗塞などを発症し、最悪の場合突然死に至ることまであるのだ。

※女性セブン2020年7月9日号