「コロナ疲れ」になりやすい人の特徴とは?(HM / PIXTA)

コロナ拡大にともなう「外出自粛」が長期化するにつれ、精神的に疲れを感じている、いわゆる「コロナ疲れ」に悩む人が増えています。「コロナ疲れ」が悪化すると、うつ病自律神経失調症の発症につながる危険性もあります。

今回、「コロナ疲れになる人」の特徴を5つお伝えします。1つでも当てはまる方は注意してください。

特徴その1.情報過多の人

コロナ拡大がいつ収束するのか不安でしかたない。不安をまぎらわせようと、毎日テレビを何時間も見たり、スマホでコロナ関連のニュースを読みあさっている人も多いはず。

基本的には「正しい情報」は不安を取り除くのに役立ちます。しかし、今流れているコロナ関連の情報のほとんどは、ネガティブなものばかり。中には不安や心配を煽る情報も多く、情報を集めれば集めるほど、不安は増加し、あなたのメンタルは疲弊していきます。

「暗いニュース」の見過ぎは要注意

同じような内容の繰り返しも多いですから、コロナに関するニュースは1日1本、15〜30分ほど見れば十分。ネットでも本当に重要な情報を厳選して集めていけば、30分もあれば事足りるでしょう。

コロナ疲れの最大の原因は、大量の「ネガティブな情報」に、長時間接することです。情報収集は、ほどほどにしておきましょう。

特徴その2.外出自粛でピリピリしている人

先日、「外出自粛を楽しくする方法」というYouTube動画をアップしたところ、「自粛中なのに"楽しむ"とはどういうことか!」といった批判的なコメントをいただきました。

「自粛」という言葉を辞書で調べると「自分から進んで、行いや態度を改めて、つつしむこと」と書かれています。おそらくその人は、自粛中なので「家の中でも、慎み深く、厳粛な気持ちですごさなければいけない」と思っているのでしょう。

今回の外出自粛は、コロナ感染を防ぐためのものです。「ウイルスに感染しない、ウイルスを人にうつさない」ことが目的ですから、家にいるのであれば、何をしようが自由なはず。実際、東京都のホームページにも、「ウチで楽しもう」というスローガンが掲げられています。

ニュース報道や、知人友人、相談者からの声によると、最近、非常にピリピリした人が増えたといいます。今後、外出自粛は程度の差はあれ、数カ月先まで続く可能性は高いです。

今から、そんなにピリピリしていたら、確実に「コロナ疲れ」に陥ります。自粛期間中でも楽しむことはやめなくてもいいんです。お子さんと遊ぶ、ゲームをする、今まで見られなかったドラマやアニメ、映画などを楽しむ。ピリピリしている人ほど、なにか楽しみを見つけたほうがいいでしょう。

特徴その3.夜更かしする人

外出自粛の影響で、夜中までテレビを見る、ゲームをするなど、夜更かしをしている人も多いのではないでしょうか。

テレワークの人は出勤しなくていいので、「就業時間の9時直前に起きればいいや」と思うと、夜更かしに拍車がかかります。遅寝遅起き、不規則な生活は、「体内時計」を狂わせます。結果として睡眠の質を下げ、体調不良、メンタル不調に拍車をかけます。

コロナだからこそ「規則正しい生活」が大事

また、睡眠が悪化すると、免疫力も低下します。不規則な生活は、「コロナ疲れ」を悪化させるのです。

ではどうすればいいのかというと、時間に余裕がある分、睡眠時間はしっかりと7時間以上とって、コロナ前と同じ起床時間を維持しましょう。規則正しい生活を続けることが、とても重要です。

特徴その4.毎日1人でお酒を飲む人

外出自粛が長期化しつつある今、精神科医の私としては、「お酒」の影響を心配します。スーパーでも、ビール、チューハイのコーナーがガランとしていて、補充が追いつかないほどの売れ行き。外で飲めない分、家で飲む人が増えており、コロナ不安によるストレスもあってか、飲酒量が増えているのでしょう。

多くの人は「お酒はストレス発散にいい」と思っていますが、それはたまに飲むからです。毎日お酒を飲むと、ストレスホルモン、コルチゾールの分泌が増え、ストレス耐性も減らします。また、アルコールは睡眠の質を下げるため、メンタルにも悪影響を与えます。

少量でも「毎日」飲む人は、脳への悪影響は甚大です。週に2日は休肝日(まったくお酒を飲まない日)を作ったほうがいいでしょう。

お酒は、コミュニケーションの潤滑剤。人と一緒に楽しみながら飲むことをおすすめします。家族と飲む、あるいはオンライン飲み会で友人と一緒に飲むのはいいでしょう。

1人で飲むと飲酒量は増え、みんなと飲むと飲酒量はほどほどに抑制されます。お酒に飲まれるのではなく、お酒を上手に利用しましょう。

特徴その5.孤独な人

「孤独」は、うつ病や認知症のリスクを増やすだけじゃなく、メンタルにも悪影響を与えます。

外出自粛とは、家に閉じこもって、「誰にも会わない」こと。人間関係のロックダウンと勘違いすると「コロナ疲れ」を進めます。

友人などに”直接”会うのは好ましくないので、SNSや電話で連絡をとりあう、Zoomなどのテレビ電話で相手の顔を見るということは、とても大切です。

「高齢の家族」のケアも大事

高齢のお年寄りなどは、「コロナ感染が怖い」と家から一歩も出ずに、誰とも会わないという人も多いはず。コロナ感染対策としては、間違っていないのですが、スマホなどで友人や親戚と連絡をキープしてください。

家の扉は閉じても、心の扉は開けておく。そうでないと、「うつ」っぽくなります。「コロナ疲れ」が一番心配なのは、高齢者のみなさんです。コロナ感染すると重篤化するハイリスク群ですから、若い人たちの何倍もの不安と恐怖で毎日を過ごしているでしょう。

あなたに高齢のご両親、または祖父母がいる場合は、2、3日に1回電話してみましょう。あるいは、毎日、メールやメッセージを送りましょう。コミュニケーションは安心につながります。

安心は免疫力を高め、不安は免疫力を下げます。あなたの声やメッセージが、ご両親、祖父母の、コロナ疲れを癒やすこともあります。

外出自粛、そしてコロナウイルスとの戦いは、長期戦。あまりピリピリせずに、楽しみながら、「つながり」を大切にしながら、乗り越えていきましょう。