4月6日、「週刊文春」スクープ速報で報じた慶応病院(慶應義塾大学病院)の研修医による懇親会での新型コロナウイルス集団感染。この懇親会の場で、研修医たちがキスなどの濃厚接触を繰り返したり、会の開催について口止めしていたことがわかった。

【集団感染の現場写真】首に手をまわし……男性同士でキス

 研修医40人が参加した「お疲れ様会」なる懇親会が、都内のダイニングバーで開かれたのは、3月26日。前日には、小池百合子都知事が緊急会見し、外出自粛を呼びかけ、当日には、慶応病院でも入院中の患者4名の陽性が確認されていた。この日、予定されていた初期臨床研修医の修了式は中止となっていたが、研修医たちは懇親会の開催に踏み切ったという。


信濃町にある慶応病院 ©文藝春秋

 ただ、幹事は、会の真っただ中の21時54分に、こんなLINEを送り、“口止め”していた。

〈今回ですが、慶應でコロナインシデントがあったため

・SNSへのアップをしない
・医療従事者であることを言わない
・手指衛生をする

でお願いいたします〉

 会場となったダイニングバーの店員が、当日の様子を語る。

「予約は個人名で、40人ほどの貸し切りでした。他の予約はキャンセルとなったのに、あの子たちの予約は残っていた。かなり酔っ払って騒いでいたので、大学生のグループかなと思いました」

「週刊文春」が入手した当日の写真には、女性が手に持ったタルトを男性に食べさせている写真に加えて、男同士で口と口を突き出して接触しているものや、男性が別の男性の首に手をまわしてキス。さらに、2人の男性の頭を第三者が手で押さえてキスさせているカットもあった。

「週刊文春」が、4月6日に取材を申し入れると、慶應義塾大学広報室は「本日中に当院ウェブサイトで公表させていただく予定です」と回答。21時50分過ぎに、ホームページに病院長名で、事実関係を認めた上で、次のようなコメントを掲載した。

「今回の初期臨床研修医のとった行動は、患者さんを守るべき医療者として許されない行為であり、医師としての自覚が欠如していたと言わざるを得ません。初期臨床研修医の指導を行う大学病院として今回の事案を大変重く受けとめております。

 ご迷惑、ご心配をおかけした関係の皆様、社会全体に深くお詫び申し上げますとともに、初期臨床研修医には引き続き厳正な注意と指導を行ってまいります」

 慶応病院は、3月31日時点で打ち上げの事実を把握し、99人の研修医を14日間の自宅待機とし、すべての研修医は出勤停止となったという。

 結局、4月7日までに会の参加者から8名の陽性が確認され、現在入院している。

 また、慶応病院関係者は次のように証言する。

「研修医が担当していた当直は別の医師が代わりに当番することになり、研修医と濃厚接触した100人ほどの医師も14日間の自宅待機となっています。また、慶応病院には関東を中心に100以上の関連病院があります。今回の感染拡大を受けて、他の関連病院へ異動する予定だった医師も出勤停止となっています。関東圏の医療が手薄になる事態にまで発展しているのです」

 4月9日(木)発売号の「週刊文春」では、居酒屋→ダイニングバー→カラオケと続いた10時間に及ぶ「お疲れ様会」はどのような会だったのか、慶応病院がクラスター感染について「お疲れ様会」を開いたすべての店に連絡していない問題などについて報じる。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年4月16日号)