開幕戦で、ブラジル人助っ人4名が躍動。清水に3−1の逆転勝利を飾った。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ1節]清水1−3FC東京/2月23日(日)/IAIスタジアム日本平
 
 FC東京がブラジル人トリオのそろい踏みで、清水を敵地で3−1とねじ伏せた。昨季届かなかったJ1初制覇に向け、幸先の良い白星発進となった。
 
 試合後の会見で、長谷川健太監督は「前半と後半の立ち上がりまでは、決して褒められる内容ではなかった」と振り返った。それほど、この日の東京は、試合序盤から清水相手に劣勢を強いられた。
 
 だが、交代選手が劇的に流れを変えた。後半に入ってアダイウトン、アルトゥール・シルバ、紺野和也が投入されると、それまでの苦戦がウソのように清水を圧倒。ディエゴ・オリベイラ、アダイウトン、レアンドロが次々とゴールを挙げて逆転勝利した。
 
 圧巻は、決勝点となった80分のアダイウントンの得点だ。自陣でA・シルバがボールを拾うと、そこから高速カウンターを発動する。ボールを預かったレアンドロがゴール前までドリブルで運んでスルーパスを供給。これに反応したD・オリベイラが技ありのアシストでお膳立て。背番号15は、それを冷静にゴールへと流し込んだ。
 
 アダイウトンは、ブラジル人4選手が全て絡んだこの衝撃的なゴールを振り返り、「私たちはキャンプからコミュニケーションを取ってきたし、コンビネーションもドンドン良くなっているよ」と胸を張った。
 
 開幕前の沖縄キャンプでは、練習場の行き帰りも仲良く自転車で移動し、厳しい練習の合間には互いに冗談を言い合った。ピッチ内外でポルトガル語が飛び交う濃密な日々によって磨かれた、阿吽の呼吸によって生み出された一発だった。

 ここ2シーズンは、先制されると苦しい展開が続いた。だが、今季のFC東京には破壊力抜群の攻撃陣が揃う。さらに、この試合でJ1初先発を飾った中村帆高と、既にデビューを飾っている紺野、安部柊斗の大卒トリオも加わり、昨季から確実に戦力も底上げされた。新たに取り組む4−3−3と、昨季までの4−4−2をうまく併用できれば、今季も優勝争いを演じる力は十分にあるはずだ。
 
 次節は、昨季最終節まで優勝を争った、王者・横浜とホームで対戦する。いきなり今季の覇権を占う上でも、試金石となる重要な一戦。健太トーキョーは小細工なしの真っ向勝負を挑む。
 
取材・文●馬場康平(フリーライター)

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