2019年の女子サッカーW杯で、大会2連覇を達成したアメリカ代表。彼女たちはサッカー界の賞金格差を求める声を上げ、世界中から注目を浴びた。

この動きの中心人物となったのは、キャプテンのミーガン・ラピノー選手だ。彼女はアメリカのスポーツ週刊誌であるスポーツ・イラストレイテッドから、2019年の「スポーツパーソン」に単独で選ばれた。

 

 

スポーツパーソンは、その年に最もスポーツマンシップ精神を体現し、かつ実績の伴ったアスリート個人やチームに贈られる。ラピノーは、60年以上続いてきた同賞において、4人目の女性の単独受賞者となった。

自身が同性愛者であることを公言しているラピノー。W杯後の凱旋パレードと表彰セレモニーでは、女性差別や移民差別を問題視し、多様性が認められるべきだと訴えた。今回の受賞は、彼女のピッチ上での活躍はもちろん、差別に対する発信力が認められた結果と言えるだろう。

 

競技を通じて何かを発信しようとする女性アスリートは増えている。アスリートである前に、彼女たちが“社会の一員”であることを忘れず、その声を真摯に受け止めていくべきではないだろうか。