オートメーション・エニウェア・ジャパン パートナーマーケティング シニアマネージャー 米田真一氏

オートメーション・エニウェアは12月11日、非構造化データの処理を自動化するAIソリューション「IQ Bot」に関する説明会を開催した。「IQ Bot」は現在、バージョン11.3.3が最新版だ。

初めに、オートメーション・エニウェア・ジャパン パートナーマーケティング シニアマネージャーの米田真一氏が同社の動向について説明した。同氏は、2019年のRPA市場について「大企業のRPAの導入は一巡したが、すべての企業でうまくいっているとは言えない状況。内製化してロボットを増やせるかどうかが、RPA導入の成否を分けるカギとなっている。内製化が可能ではないと、ロボットが増えず、全社的に広がらない。そのため、われわれは内製化できることに焦点を当てている」と説明した。

そして、米田氏は、同社のRPA製品に対する3つの誤解があるとして、それらを否定して見せた。1つ目の誤解「価格が高い」については、サーバを含めた価格は主要RPAソフトの中でも安いという。Automation Anywhereの最小価格は120万円程度だが、サーバ型の他社のRPAソフトウェアの場合300万を超えるものもいくつかある。

2つ目の誤解「難しい、コードを書く必要がある」については、最新版「Automation Anywhere Enterprise A2019」でフロー型に対応したことで、ドラッグ&ドロップで選択するだけで、フローを作成できるようになったことが紹介された。

3つ目の誤解「日本語化されていない」については、無料版も含めて既に日本語化が済んでいるとした。サポートやトレーニングも日本語で提供可能だ。

オートメーション・エニウェア・ジャパン NextGen コグニティブオートメーション担当 シニアセールスエンジニア 佐野千紘氏

「IQ Bot」の新機能については、NextGen コグニティブオートメーション担当 シニアセールスエンジニア 佐野千紘氏が説明した。「IQ Bot」は、異なるフォーマットの準構造化データ(PDFファイル、JPGファイル、GIFファイル、PNGファイル)から共通の構造化データ(CSVファイル)を取り出して、準構造化データのRPDによる自動勝利を実現するソリューションだ。

佐野氏は、同社のソリューションはビジネスユーザーが利用できることに主眼が置かれており、それはIQ Botにおいても同様だと語った。

IQ Botの利用にあたって、事前に「取得項目の定義、サンプル帳票のアップロード」「AIによるフォーマット分類」「マッピングの学習」「プロダクション化、Taskbot(RPA)の作成」といった作業が必要になる。AIが対象の画像を解析すると、文字をテキストデータに変換し、項目の分布をもとにドキュメントをフォーマット別に分類し、項目のマッピングを取得する。

マッピングについては、IQ Botが自動で取得したニア用が正しければ、人間は何もする必要はない。IQ Botが誤って取得した項目は人間が訂正するが、マッピングの学習はグループごとに代表の1帳票に対して行うだけでよく、「OCRを利用しているユーザーはこの機能に感動する」(佐野氏)とのことだ。

実際に運用する際は、IQ Botを起動するだけでよい。1つのファイルにつき1つのCSVファイルが構造化データとして出力される。その際、検証が必要な項目が赤枠で表示されるので、人間が確認を行う。訂正した内容は学習が行われるが、佐野氏は「人間が訂正した内容を学習できるのはIQ Botの特徴」と述べた。

IQ Botの作業フロー

佐野氏は、IQ Botの特徴の1つとして、サードパーティのOCRエンジンが組み込まれていることを紹介した。現在、OCRエンジンとして、ABBYY、Tesseract、Microsoft Computer Visionが同梱されている。OCRエンジンが組み込まれていない場合、別途購入して、RPAソフトウェアと連携させなければならない。なお同氏によると、日本語の場合、ABBYYの読み取り精度が高く、おススメだという。

IQ Botの5つの特徴

最新版「IQ Bot 11.3.3」の主なアップデートしては、「Microsoft Computer Visionの追加」「カスタムロジックの定義に対応」「処理速度が25%程度短縮」の3点が紹介された。

Microsoft Computer Visionが追加されたことで、英数字の手書きに対応した。カスタムロジックでは、Pythonのスクリプトを書くことで、不要な文字列の除外・置換、数値と単位の分離、日付の整形が行えるようになり、日本の商習慣に柔軟に対応することが可能になるという。

カスタムロジックの概要

オートメーション・エニウェア・ジャパン NextGen シニアプロダクトスペシャリストマネージャー 盛田 博之氏

NextGen シニアプロダクトスペシャリストマネージャーの盛田博之氏からは、IQ BotにおけるOCR機能の拡張について説明がなされた。

前述したように、Microsoft Computer Visionが追加されたことで、英数字の手書きへの対応が実現され、英数字の識字率が向上した。英数字の帳票としては、鉄鋼・自動車・建築業界などで利用されているミルシート、貿易業務で利用されるInvoice、船荷証券などがあるが、すでにユーザー企業での運用が進んでいるそうだ。

一方、日本語の帳票については、解像度や種類によって、ユーザーが期待する識字率が達成できていない状況であることから、2020年2月頃に、日本語の活字と手書きの識字率を向上するため、他のOCRエンジンを持つベンダーと協業を進めていることを盛田氏は明かした。

他のRPAソフトウェアも当然、OCRとの連携が可能となっているが、盛田氏は「われわれの強みは、RPAソフトウェアからネイティブのコマンドとしてIQ Botを呼び出すことができ、データの取り込み、画像データの文字データへの変換、RPAの実行といったフローを一気通貫に行えること」と語っていた。

Automation AnywhereのOCRへの対応のロードマップ