めちゃくちゃ強そう... 高知の鉄工所が作った「ロボット型薪ストーブ」がロマンしかない
高知県土佐清水市には、ひときわ異彩を放つふるさと納税の返礼品がある。
ロボット型薪ストーブ(小磯鉄工ウェブサイトより)
逆光の中に浮かび上がるどっしりとした黒い影。腹の中で煌々と燃え盛る炎。
寸胴型の胴体からニョッキリはえた脚で堂々と立っているのは、土佐清水市の鉄工所・小磯鉄工が製造する「ロボット型薪ストーブ」だ。
218万円の寄付でもらえるお礼の品で、「ロボット型薪ストーブ」と甲冑を装着した「ロボット型薪ストーブ(サムライ)」の2種類がある。
ふるさと納税サイトに記載されている説明文は以下の通り。
「職人こだわりの遊び心で誕生したロボット型の薪ストーブです。
ガラス越しの揺らめく炎を見ながら暖をとりつつ、オーブン付きなので料理を楽しむこともできます。
また、インテリアとしても存在感を発揮し、シーズンオフでも見て楽しんでいただけると思います。」
温まりながらピザや焼き芋の調理や、やかん・鍋の加熱ができ、インテリアとしても楽しめる、と三拍子そろったストーブだが、なぜロボット型なのかは不明のままだ。Jタウンネット編集部は小磯鉄工を取材した。
製作者「自然にできました」
小磯鉄工に、どうして薪ストーブがロボットの形になったのか尋ねると、
「どうしてというか...自然にできました」
同社はいわゆる「町の鉄工所」。主に建築物を建てるための鉄鋼材等を作っており、一般向けの商品を製造しているわけではない。
唯一、製品として販売されているのが、「ロボット型」シリーズで、5年前ほどに「薪ストーブを作ってほしい」という依頼があったのが制作のきっかけだという。
「楽しい薪ストーブ」を目指し、遊び心を加えた結果、今の形になったそうだ。
「まあ、薪ストーブを小磯鉄工流につくったらこうなった、という感じです」
と、ロボット型になったのはなんらおかしなことではない、といった話しぶりだった。
ところで、ストーブで薪を燃やすと炭ができる。その炭を利用できるように、と「ロボット型七輪」の「しち丸」と「しち衛門」も生まれた。
しち丸(左)、しち衛門(右)(小磯鉄工ウェブサイトより)
ニョロッとした腕と脚、なんとも言えず間抜けな表情、蓋についた双葉のような持ち手。薪ストーブと比べると、ずいぶんかわいらしい見た目だ。
こちらも、ふるさと納税の返礼品になっていて、13万円の寄付でもらうことができる。
返礼品として希望している人はいるのか聞くと、
「薪ストーブの方はまだないですね。七輪はちょこちょこ出ています」
とのこと(2019年11月8日時点)。そう聞くと、強そうに見えたロボット型薪ストーブがどこか寂しげに見えてきた。
いずれも、ふるさと納税の返礼品としてだけでなく、小磯鉄工のウェブサイトでも購入できる。薪ストーブは65万円から(値段は注文者の要望に合わせて変動)、七輪は3万7800円だ。
ロボット型薪ストーブ(小磯鉄工ウェブサイトより)