2年縛りの解除料が1,000円に値下げ! 慌てると逆に高くなる落とし穴に要注意

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スマートフォンや携帯電話の契約では、長らく「2年縛り」が主流でした。
2年縛りは、毎月の料金を大きく割り引く一方で、途中解約などによる契約解除の料金が約1万円と高額な設定です。

かつて携帯電話各社は、利用期間に応じて徐々に料金を割り引くサービスを提供していました。このサービスに比較すれば、2年縛りの割引額は大きく、割安感が増し普及していきました。
しかし、今では各社ともに2年縛りを前提とした料金体系と、料金のみを競い合うようになってしまい、割引率の高さよりも解除料の高さが目立つようになっています。

この解除料ですが、
携帯電話に大きく関わる法律「電気通信事業法」や付随する省令ルールの見直しで
「1,000円程度とするべき」
こう提言され、実際に携帯電話の各社は、
・解除料を1,000円に変更
・解除料金を廃止する
こうしたプランの提供を開始しています。

解除料が安くなることで利用者が得られるメリットは、
・より自分に合った料金、サービス内容を提供する他社へのりかえやすくなる
・海外転勤など急遽解約の必要が出たときの負担が少なくなる
このように解約のハードルが大きく下がることにあります。


しかし、ちょっと待ってください。
この2年契約での解除料の値下げですが、
安くするには、一定の条件が必要になることは、意外と知られていません。


○新プランへの変更が必須



実は、契約の解除料が1,000円や0円になったのは、10月以降に提供開始した新料金プランのみなのです。

つまり9月以前のプランを利用中の場合は、この新料金プランに変更する必要があるのです。

また新料金プランへの変更にも一定の条件が設けられている場合もあります。
多くの携帯電話会社は「変更を行った翌月から適用」としています。
つまり、プラン変更をした当月は、まだ契約解除料が約1万円のままなのです。
この点には、とくに注意が必要です。

さらに
・契約期間が2年以上経過していること
・次回、機種購入時でなければ加入できない
・新プランに変更しても、次の契約更新を迎えた後でなければ解除料は安くならない
こうした新プランの変更には、わかりにくい細かなルールが設けられているのです。

例えば、直近で解約する、または他社へのりかえなど、今の契約を辞めようとする場合、その月に入ってからでは新プランへの変更が間に合わず、予定外に高額な解除料が発生する可能性もあります。
このことは覚えておくといいでしょう。

さらに新料金プランへの変更について、細かな条件が設けられているので、
「そもそもプランが変えられない」
こんな可能性もあることは、覚えておく必要があります。

現状では一概に、
「あなたは新プランに変更して、解除料が安くなりますよ」
とも言い切れません。
わかりにくさ、複雑さは、法改正後でも残っています。

筆者の場合、
新料金プランよりも、現状のプランの方が毎月安く利用できるケースでした。
直近で解約や他社へのりかえる予定もないため、わざわざ新料金プランに変更し、解除料を安くする必要性がありませんでした。
こうしたケースもあるのです。

多くのユーザーは現時点で利用中のプランで解除料は安くなっておらず
・新プランに変更する
・変更しても適用は翌月
・変更にも条件があり変えられない可能性
・新プランに変えることで料金が高くなる可能性
これらについては知っておきたいところです。

特に料金が高くなってしまうケースでは、解除料が安くなっても解約までの期間次第では損をしてしまうかもしれません。

「解除料を下げる」だけではなく、
トータルで「新プランに変えたら安くなるのか」
これをショップに相談し、
その結果として「解除料も安くなる」
これが一番の恩恵を受けられる手順でしょう。


執筆 迎 悟