「3歳牡馬三冠」の最終戦、GI菊花賞(京都・芝3000m)が10月20日に行なわれる。

 過去10年の結果を振り返ってみると、6番人気以上の伏兵馬が13頭も馬券圏内(3着以内)に突っ込んできており、波乱含みのレースと言える。実際、3連単の配当が10万円を超えたことが4度もある。

 そして、今年も”荒れる”匂いがプンプンする。なにしろ、出走馬には一冠目のGI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)を勝ったサートゥルナーリア、二冠目のGI日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)を制したロジャーバローズらの名前がなく、代わって皐月賞2着、ダービー3着のヴェロックスが最有力候補に浮上。1番人気に押し出された同馬の、「1強」といった様相にあるからだ。

 そうした状況にあって、日刊スポーツの太田尚樹記者も波乱の展開を想定している。

「最近の菊花賞は、2016年2着のレインボーライン(9番人気)、2017年2着のクリンチャー(10番人気)、2018年1着のフィエールマン(7番人気)と、3年連続で7番人気以上の人気薄が連対しています。やはり全馬にとって、未知の3000m戦という点が影響しているのでしょう。

 とすれば、ヴェロックスにしても、はたして抜けた存在なのか? と問われると疑問が残ります。ダービーでも他馬とは接戦でしたし、ジャスタウェイ産駒で3000mの距離がベストとは思えないですし……」

 波乱ムードについては、中日スポーツの大野英樹記者も同調する。そうして、ニシノデイジー(牡3歳)を本命に挙げつつ、穴馬候補については次のように語る。

「本命はニシノデイジーですが、同馬は鞍上がクリストフ・ルメール騎手ということもあって、それなりに人気を背負いそうな感じです。そこで、穴で狙いたいのは、GII京都新聞杯(5月4日/京都・芝2200m)を勝つなど、京都に適性があるレッドジェニアル(牡3歳)です。現に、京都ではここまで4戦して2勝、3着2回と、良績を残しています。

 イレ込みやすいタイプだけに、輸送時間の短い京都が現状では力をフルに発揮できる舞台と言えます。落ち着きさえ保てれば、休み明けでテンションが高かった前走・GII神戸新聞杯(4着。9月22日/阪神・芝2400m)からの前進は十分に見込めます」



京都の舞台が合うレッドジェニアル

 レッドジェニアルについては、太田記者も穴馬に推奨する。

「過去2勝は、いずれも京都の2000mと2200m。とりわけ、重賞勝ちを決めた京都新聞杯では、のちのダービー馬ロジャーバローズを下しています。ご存知のとおり、京都コースは3コーナーで坂の上り下りがあって、意外と得意不得意が出やすいコースですが、成績を見れば、同馬は間違いなく京都向きの”長距離砲”だと言えます。前走、阪神からのコース替わりは、大きなプラスになるでしょう」

 さらに、太田記者は前走・神戸新聞杯の内容に「収穫があった」と言う。

「前走は、意表を突く3番手からの競馬。それでいて、流れに乗れたことは収穫でした。鞍上の酒井学騎手が『(前に)壁がなくても折り合っていた』と振り返ったように、道中も問題なく、脚をタメられていました。8頭という少頭数独特の流れとなって、瞬発力勝負に泣きましたが、本番は距離3000mで、フルゲートの一戦。持ち味とする息の長い末脚が生かせると思います」

 さて、最後にもう1頭、穴馬候補を紹介したい。大野記者が「気になる」というシフルマン(牡3歳)だ。

「シフルマンは今回、単騎逃げが濃厚。その分、軽視できません。前走の神戸新聞杯(6着)は、サートゥルナーリアに早めに来られたのが、きつかったようです。しかも、上がり32秒台の瞬発力勝負になっては、さすがに苦しい。しかし今回、他馬が距離を考えて後ろでけん制し合って、同馬が早めに仕掛ける展開に持ち込めるようなら、粘り込みがあっても驚けませんよ」

 勝ったサートゥルナーリアからは1秒1差という大差をつけられたが、2着ヴェロックスとはコンマ6秒差だった。たしかに、自分の展開に持ち込めば、一発あってもおかしくない。 先週の秋華賞でも、春の二冠を勝った馬が不在のなか、1番人気のダノンファンタジーが馬群に沈んだ。京都を舞台としたGI戦は、2週連続で荒れるのか。乱菊を制す馬が、ここに挙げた2頭であっても不思議ではない。