2019年9月19日、Amazonのジェフ・ベゾスCEOが「10万台の電気自動車を購入する」など気候変動対策を打ち出しました。Amazonは環境問題対策で後れを取っているという根強い批判が存在しており、多数の従業員も「Amazonは温室効果ガスなどの地球温暖化を促進する物質を大量に排出している」と主張していました。

Amazon Co-founds The Climate Pledge, Setting Goal to Meet the Paris Agreement 10 Years Early | Business Wire

https://www.businesswire.com/news/home/20190919005609/en/

Jeff Bezos pledges that Amazon will swiftly combat climate change - The Verge

https://www.theverge.com/2019/9/19/20873834/amazon-sustainability-jeff-bezos-climate-change-pledge-emissions-paris-accord

Amazon will order 100,000 electric delivery vans from EV startup Rivian, Jeff Bezos says - The Verge

https://www.theverge.com/2019/9/19/20873947/amazon-electric-delivery-van-rivian-jeff-bezos-order

ジェフ・ベゾスCEOが新たに約束した気候変動対策の取り組みとは、地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」を10年前倒しで達成しようという試みで、その内容は2030年までにエネルギー使用量のうち風力や太陽光などの再生可能エネルギーの占める割合を100%に引き上げ、2040年までにAmazon全体が排出する温室効果ガスをゼロにするというもの。その目標に先駆けて、ジェフ・ベゾスCEOは、2021年までに電気自動車(EV)を使った宅配を開始し、2024年ごろまでに10万台のリヴィアン製EVが路上に出る予定だと述べました。以下がリヴィアンのAmazon宅配トラックの外観予想図。



リヴィアンは新興のEVスタートアップ企業ですが、2018年2月にはAmazonから7億ドル(約760億円)、2019年4月にはフォードから5億ドル(約540億円)といった多額の投資を受けることに成功し、注目が集まっています。2019年9月の段階では、リヴィアンのラインナップは、3秒未満で時速60マイル(時速96km)に達し、1回の充電で400マイル(約650km)走行可能な最低価格6万9000ドル(約750万円)のEVピックアップトラック「Rivian R1T」と、R1Tの荷台部分を7人乗りの3列シートに置き換えた「Rivian R1S」のみ。



Amazonが気候変動対策を新たに打ち出した背景には、多数の従業員が温室効果ガスなどを大量に排出している同社の現状に対して異を唱えているという背景があります。Amazonの従業員1万5500人が2019年9月23日にニューヨークで開催される「国連気候行動サミット2019」に向けて9月20日からストライキを行うと表明しており、さらに数千人がAmazonによる汚染やAmazonが化石燃料産業をサポートしていることに抗議するために職を辞すると発表しています。

環境問題に関する抗議を行ってきたAmazonの従業員グループ「Amazon Employees For Climate Justice」は今回のジェフ・ベゾスCEOの発表を受けて「我々の巨大な勝利だ」と発表。しかし、今回の約束された内容ですら「不十分だ」と述べています。