REVICなどの支援を受け、会社分割により事業は継続している

 (株)TS商事〈旧:(株)トヨシマ、TDB企業コード:580183137、資本金4億8130万円、大阪府池田市住吉1−1−6、代表清算人田邉義和氏〉は、9月3日に大阪地裁より特別清算開始命令を受けた。

 当社は、1936年(昭和11年)3月に設立。フォークリフトアームやコイルスプリング、板バネ、角鋼材などの製造を手掛け、一部自動車用部品・農業機械器具の卸売を行っていた。主力製品であるフォークリフトアームは、日本国内でのシェア60%を占め、小型のものは中国子会社で製造したものを自社工場で完成品に仕上げ、大型のものは自社工場で一貫生産していた。テーパー技術という特殊圧延技術を保有し、特許を取得するなど高い製造技術で自動車メーカー・産業用車両メーカー関連に営業基盤を確立。また、全国に営業所を設置して自動車関連部品の販売も行っていた。取引先からの受注が好調だった86年2月期には年売上高約146億1800万円を計上していた。

 その後も、主要得意先からの受注は好調に推移し安定した業績を確保していたものの、リーマン・ショック以降は、自動車メーカーや産業用車両メーカーなどの海外生産の影響を受けて徐々に売上げは低迷し、2018年3月期(決算期変更)の年売上高は約50億円にまで落ち込んでいた。また、直近3期では為替の影響や、中国での生産コスト上昇などにより当期純損失を計上。その間、赤字分野であった角鋼材の取り扱いを中止するなどのリストラ策を講じたものの、設備投資などに伴う金融負担は重く収益回復には至らず、2017年3月には金融機関に対してリスケを要請。地域経済活性化支援機構の支援のもと、再建を目指すなか、2018年5月には同機構が再生支援を決定し、(株)イチネンホールディングス(東証1部)が事業再生スポンサーとなり、2018年8月に会社分割によって事業を承継させていた。その後は資産売却などを行っていたが、処理に目途が付いたことで、当社は1月31日に株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。

 負債は金融債務を中心に約30億円。