新iPhone目前に発表、法の抜け穴をつくソフトバンク「半額サポート+」の狙い(石川温)
9月11日(日本時間)、いよいよアップルがiPhoneの新製品を発表する。13日には各キャリアで予約が受け付けられる見込みで、令和初のiPhone商戦が始まる。
今年は10月1日に電気通信事業法が改正され、端末と回線契約のセット販売において、割引が上限2万円に規制される。「iPhoneの割引が減って高くなる」という心配があるなか、ソフトバンクは新しい買い方プログラム「半額サポート+」を発表。13日から提供を開始する。
「半額サポート+」の基本的な仕組み自体は従来の「半額サポート」とほとんど変わらない。半額サポート+では端末代金を48回払にするとともに、毎月390円のオプション料を払うことで、24回払を終えれば、新しい機種に交換できるというものだ。
関連:ソフトバンク「半額サポート+」で、他キャリアのユーザーにもスマホ販売。分離プランに対応
半額サポート+の最大の特徴は回線とセットではないという点だ。このため、改正電気通信事業法でも問題なく、総務省からは「適合」とお墨付きをもらっているものなのだ。
総務省では48回払が「長期間、ユーザーを拘束するものであり、競争上、よろしくない」というスタンスだ。しかし、回線契約と端末が別であれば、何ら問題ないわけだ。まさに電気通信事業法の抜け穴をついてきた格好だ。
ただ、ユーザーの立場からすれば、新しいiPhoneが買いやすいのは間違いない。ソフトバンクとすれば、キャリアとしてユーザーのことを考えるというのは当然のことだろう。
ソフトバンクの榛葉淳副社長は「(ハイエンドな)スマホの価格は10万円以上ということが多い。また、将来的には5G対応スマホも登場すれば、端末価格は上がる。ちゃんとしたレギュレーションのなかで工夫をして、ユーザーの皆さんに、スマホをご提供するにはどうすべきか色々と議論した。ソフトバンクのユーザーであれば、安心して購入できるのではないか」と自信を見せる。
半額サポート+は回線契約と紐付いていないため、他キャリアユーザーも利用して購入することが可能だ。ただし、SIMロックが掛かっているため、他社ユーザーは一括で購入してSIMロックを解除するか、購入後、100日を待ってSIMロックを解除するしかない。どちらも現実的ではないことを考えると、実質、ソフトバンクユーザー向けのプログラムと言えるだろう。
改正電気通信事業法では「解除料1000円以下」「2年縛りの見直し」も盛り込まれている。ソフトバンクでは9月6日に「解除料タダ」「2年縛りの廃止」を打ち出している。
これによって、契約を辞めやすくなるのだが、ソフトバンクとして、ユーザー流出の不安はないのだろうか。
榛葉副社長は「辞めやすいということは逆に他社からうちに流入しやすいともいえる。シェアでいえば我々は3番目なので、流動性が高まるのはむしろウェルカムといえる。ユーザーが流出する不安はないかといえば、むしろそうならない自信がある。これまでソフトバンクはワイモバイルとのダブルブランドを掲げ、家族での割引や様々なプログラムを充実させてきた。さらに光回線や電力など、様々なものを積み上げてきており、それが形になってきている」と語る。
流動性が高まる中、他社のケータイユーザーを取り込むための施策となるが月額「スマホデビュープラン」だ。MNPで契約し、半額サポート+を使うとPayPayボーナスが最大1万円分付与される。
「ケータイユーザーは2000万人もいるとされ、法人市場を含めると3000万人とも言われている。スマホを使えば、日常生活がもっと便利で楽しくなる」(榛葉副社長)
スマホデビューをためらっているケータイユーザーの背中を押す施策として期待しているようだ。
▲ソフトバンクの榛葉淳副社長兼COO
一方、9月13日からは新型iPhoneの予約が一斉に始まり、iPhone商戦が本格化する。ライバルのKDDIは、9月13日より、Netflixの視聴料をバンドルし、使い放題となる「au データMAXプラン Netflixパック」の受付を開始する。KDDIが容量無制限を強化する中、ソフトバンクはどうするつもりなのか。
「(動画SNS放題は)対象のコンテンツが11から13に拡大した。YouTube、Twitter、Facebook、LINE、Tiktok、Instagramなど一般のスマホユーザーが使っているほとんどのアプリが使い放題で、ユーザーの満足度が相当高い。これらのアプリ以外の容量が50GBもあるということで、実質は使い放題と言えるのではないか。今後も対象アプリを増やすし、サービスを継承していきたい」(榛葉淳副社長)という。
ソフトバンクでは、端末の販売方法や料金プランだけでなく、サポートも強化するなど、様々なところでユーザーにストレスがたまらないような施策を展開している。今年のソフトバンクはこの「ストレスフリー」を武器にiPhone商戦に突入していくようだ。
今年は10月1日に電気通信事業法が改正され、端末と回線契約のセット販売において、割引が上限2万円に規制される。「iPhoneの割引が減って高くなる」という心配があるなか、ソフトバンクは新しい買い方プログラム「半額サポート+」を発表。13日から提供を開始する。
関連:ソフトバンク「半額サポート+」で、他キャリアのユーザーにもスマホ販売。分離プランに対応
半額サポート+の最大の特徴は回線とセットではないという点だ。このため、改正電気通信事業法でも問題なく、総務省からは「適合」とお墨付きをもらっているものなのだ。
総務省では48回払が「長期間、ユーザーを拘束するものであり、競争上、よろしくない」というスタンスだ。しかし、回線契約と端末が別であれば、何ら問題ないわけだ。まさに電気通信事業法の抜け穴をついてきた格好だ。
ただ、ユーザーの立場からすれば、新しいiPhoneが買いやすいのは間違いない。ソフトバンクとすれば、キャリアとしてユーザーのことを考えるというのは当然のことだろう。
ソフトバンクの榛葉淳副社長は「(ハイエンドな)スマホの価格は10万円以上ということが多い。また、将来的には5G対応スマホも登場すれば、端末価格は上がる。ちゃんとしたレギュレーションのなかで工夫をして、ユーザーの皆さんに、スマホをご提供するにはどうすべきか色々と議論した。ソフトバンクのユーザーであれば、安心して購入できるのではないか」と自信を見せる。
半額サポート+は回線契約と紐付いていないため、他キャリアユーザーも利用して購入することが可能だ。ただし、SIMロックが掛かっているため、他社ユーザーは一括で購入してSIMロックを解除するか、購入後、100日を待ってSIMロックを解除するしかない。どちらも現実的ではないことを考えると、実質、ソフトバンクユーザー向けのプログラムと言えるだろう。
■「流動性が高まるのはむしろウェルカム」
改正電気通信事業法では「解除料1000円以下」「2年縛りの見直し」も盛り込まれている。ソフトバンクでは9月6日に「解除料タダ」「2年縛りの廃止」を打ち出している。
これによって、契約を辞めやすくなるのだが、ソフトバンクとして、ユーザー流出の不安はないのだろうか。
榛葉副社長は「辞めやすいということは逆に他社からうちに流入しやすいともいえる。シェアでいえば我々は3番目なので、流動性が高まるのはむしろウェルカムといえる。ユーザーが流出する不安はないかといえば、むしろそうならない自信がある。これまでソフトバンクはワイモバイルとのダブルブランドを掲げ、家族での割引や様々なプログラムを充実させてきた。さらに光回線や電力など、様々なものを積み上げてきており、それが形になってきている」と語る。
流動性が高まる中、他社のケータイユーザーを取り込むための施策となるが月額「スマホデビュープラン」だ。MNPで契約し、半額サポート+を使うとPayPayボーナスが最大1万円分付与される。
「ケータイユーザーは2000万人もいるとされ、法人市場を含めると3000万人とも言われている。スマホを使えば、日常生活がもっと便利で楽しくなる」(榛葉副社長)
スマホデビューをためらっているケータイユーザーの背中を押す施策として期待しているようだ。
▲ソフトバンクの榛葉淳副社長兼COO
一方、9月13日からは新型iPhoneの予約が一斉に始まり、iPhone商戦が本格化する。ライバルのKDDIは、9月13日より、Netflixの視聴料をバンドルし、使い放題となる「au データMAXプラン Netflixパック」の受付を開始する。KDDIが容量無制限を強化する中、ソフトバンクはどうするつもりなのか。
「(動画SNS放題は)対象のコンテンツが11から13に拡大した。YouTube、Twitter、Facebook、LINE、Tiktok、Instagramなど一般のスマホユーザーが使っているほとんどのアプリが使い放題で、ユーザーの満足度が相当高い。これらのアプリ以外の容量が50GBもあるということで、実質は使い放題と言えるのではないか。今後も対象アプリを増やすし、サービスを継承していきたい」(榛葉淳副社長)という。
ソフトバンクでは、端末の販売方法や料金プランだけでなく、サポートも強化するなど、様々なところでユーザーにストレスがたまらないような施策を展開している。今年のソフトバンクはこの「ストレスフリー」を武器にiPhone商戦に突入していくようだ。