小規模なのに早慶に次ぐベンチャー創出数、デジタルハリウッド大らしさの秘訣
―株式会社立大学の歩みはいかがでしょうか。
―デジタル技術と、医療やファッションなど他分野との掛け合わせが強みですね。
「生活習慣病のモニタリングや服薬の継続支援システムで、プログラマーと著名大学の医師が組むなど驚くべき展開になっている。各人の脳で幸せの感じ方が異なる現象に迫る研究室も立ち上げた。大学発VBランキングは経済産業省の調査で11位。ビジネスを手がける教員や学生仲間が身近にいる環境が効いている」
―最先端技術の教員による研究大学のVBとは違うようですね。
「ポイントは仮想現実(VR)やコンピューターグラフィックス(CG)など普通の技術を活用することだ。機能が公開されている技術を取り入れ、自らの専門分野で新サービスを半年程度で作り出す」
―順調だった大学院に対して、翌年度に設置した大学では正当な評価を得るのに苦労したそうですね。
「受験産業のことを知らず背伸びだったと思う。先入観を持たれて苦労した。風向きが変わったのは3年ほど前。人工知能(AI)に仕事を奪われない創造性を、と注目が高まった。開学当初、『本当のデジタル活用は一世代先だ』と口にしていたが、実際に両親が卒業生という学生が出てきて感慨深い」
【略歴】すぎやま・ともゆき 79年(昭54)日大院理工学研究科修士修了、同年助手。87年米マサチューセッツ工科大メディアラボ客員研究員。93年日大短期大学部専任講師。94年デジタルハリウッドを設立。04年デジタルハリウッド大学院大学長。05年デジタルハリウッド大学長。工学博士。東京都出身、65歳。
【記者の目/長年の蓄積が評判確立】
インタビュイーもインタビュアーも今回と同じ、15年前の記事を見返した。「大学院は仕事を作り出せる人を育てるのが狙い」「大学個性化の時代だけに、学問をするだけでない大学があっていい」とある。個性的なトップが長年、率いることで新興大学の評判が確立されることを実感した。(編集委員・山本佳世子)
