伊藤 達夫 / THOUGHT&INSIGHT株式会社

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プラットフォーマーとは供給サイドに補完性を発揮させる形で需要サイドに体験パッケージを提供するタイプのビジネス形態である。一般的に、単純な1つの需給両サイド、つまり「二面」市場のプラットフォーマーからスタートするが、一度、需給両サイドのアカウントのアグリゲーションに成功すると、ステークホルダー全体に補完性が発生しやすい状況が出来上がるため、主に需要サイドの一連の行動と状況に着目してマルチサイド化が可能となる


こんにちは。伊藤です。ここに書くのはまたまた久しぶりです。

忙しいんですよねえ・・・。仕事がぱんぱんに詰まっているので、私に宣伝するインセンティブがないのと、私に意欲がないのと、ぱくたそさんのフリー素材に書きたいテーマにあうキレイなお姉さんが少なくなってきたのといろいろあって、ここに書いていません。私の意欲を刺激するモデルさんとかいませんかね?

さて、今日のモデルさんは塩田みうさんです。

「女優 (20) 2015.16.17年度高校野球長崎大会イメージガール/映画「こはく」/映画「しらあいの赦」/ALL!V・ファーレン アシスタント /岩崎本舗 角煮まんじゅうCM などに出演しています。」だそうです。

長崎ご当地なモデルさんな感じなのでしょうか・・・。岩崎本舗って、長崎のメーカーですからね。V・ファーレンも長崎のチームですよね。

国民的アイドルなどというものが言われたのはもはや80年代、ナショナルブランドも含めて、いわゆる「国民的」なものは国民国家時代の遺物であって、いまはご当地アイドルの時代ですね。八王子にもエイトプリンセスなるアイドルグループがいます。南大沢のアウトレットで踊っていました。東京のメタな視点から見ると、八王子も充分に地方ですね。たまに八王子って山梨?と聞かれたりします。いいえ、東京です。ただ、日本を代表するとかよりも、長崎だったり、八王子だったりのほうが、パワーがある時代になってきました。

そんな凋落しつつあるブランドを更に凋落させそうなビジネスが出てきています。プラットフォーマーですね。プラットフォーマーをマッチングビジネスと解説する人もいるのですが、これまでのブランドとさして変わらない面もあると私は思っています。ブランドにちょこちょこ手を入れればプラットフォーマーになると私は思います。具体的には、ブランドが自分のブランドの看板を外して、供給サイドに補完性を発生させたらプラットフォーマーじゃないの?と私は思っています。

これだと意味が分からないと思うので、もう少し分かるように書いていきます。

プラットフォーマーで有名なのはAmazonやアリババです。楽天ではありませんね。残念ながら、楽天はプラットフォーマーとしては厳しいでしょう。供給サイドへの補完性に対して全くセンシティブではないからですね。

Amazonやアリババはまさにプラットフォーマーです。まず、ブランドサイドについて考えてみて、プラットフォーマーと何が違うかを見て行きましょう。

ブランドのメーカーがあったとして、仕入れはしますし、加工しないといけませんよね。そして、最終的な形にアセンブルして市場に出す。たいてい、ブランドと言われるメーカーはアセンブルの工程とクリティカルな工程しかやってません。

そして、下請けさんたちは、別にそれぞれのお仕事をしていますが、極論を言えば似たようなことをやろうと思えばできなくはない。しかし、やったらブランドに脅されるでしょうし、知られていないものは売れない。どこの馬の骨とも分からない人たちが作った商品は売れません。

でもね、よくよく考えてみてください。アマゾンが普及してから、どこの馬の骨とも分からないメーカーが作った怪しい商品を買うようになっていませんか?アマゾンで本当に正規品を買ってます?

私ならこう言います。「アマゾンで正規品しか買ったことがない人だけがこのアーティクルに文句を言いなさい」と。

何が言いたいかと言えばね、プラットフォーマーもブランドサイドも、売っているプロダクトの工程の一部しかやっていませんよ、ということです。まあ、全工程自社でやっている根性のあるメーカーさんもいるでしょうが、レアでしょう。

違いとしては、ブランドサイドは下請け業者を宣伝するインセンティブは全くありませんが、プラットフォーマーは育ててインキュベートするインセンティブがあるということです。

インキュベートという視点で言えば、サプライサイドがバリューチェーンを自社でコントロールするお手伝いまでアマゾンはやり始めています。

倉庫の貸し出しとか。サプライサイドのバリューチェーンを分析して、プロセスに対するソリューションを次々に生み出して、インキュベートしつつ、実質的なバリューチェーンを広げていっています。

アマゾンがその気になれば、ブランドサイドと同じことができるでしょう。しかし、サプライヤーをいじめる意味もありません。アマゾンはサプライヤが伸びれば伸びるほど、自社も伸びるモデルですからね。

え?アマゾンもサプライヤに厳しい?まあ、ブランドサイドとの比較問題です・・・。

アリババの大株主がソフトバンクであることは有名ですが、アリババはアマゾンをベンチマークしているようで、アマゾンを真似たサービスばかりやっているので、インキュベートも激しく行っています。中国ではアリババ発のベンチャーがだいぶ出てきたようです。

え?楽天から「ライザップ」が出てきた?健康食品で出てきた?ライザップが上場できたのは楽天のおかげ?

まあ、そういう面もありますが、アリババのベンチマークはあくまでアマゾンですよ。楽天なんて眼中にないですよ。いわゆるアウトオブ眼中というやつです(爆)。楽天はサプライサイドにソリューション提供するようなプロセスのナレッジ持ってないですからね・・・。

それでね、1つのマーケットで需給両サイドのアグリゲーションに成功すると、マルチサイド化ができます。マルチサイド化というのは、次々と領域を広げていくことです。需要サイドのアカウントさえ押さえてしまえば、いろいろなビジネスが展開できますからね。

いわゆる旅行代理のポータルであったり、ホテルであったり。

え?楽天もマルチサイド化している?

まあ、そうなんですが、インターネットの成長期初期に事業やっててこれしか大きくならないの?というのが正直な感想でしょうか。ネットワーク効果のかかり方を無視した拡大をしているからそうなるんじゃないかな、と私は思います。

要はですね。ECモールとしてアカウントをアグリゲートした場合に、商材を広げていける。その正しい順序はネットワーク効果がかかる順序です。それを考えて拡大するのとそうでないのと、違いますよね。

本当にネットワーク効果考えてる?と聞きたくなってきます。そのネットワーク効果を原資として、関係者が補完的でありえるわけですよ。

ポーターは補完性を想定していますが、ネットワーク効果を想定した戦略論を構築していないですよね。しかし、現在ではネットワーク効果を無視してしまっては拡大効率が悪くなる。

そういったことにもっとセンシティブになれば日本の企業ももっと大きくなれたのにね、と私は思ったりします。

というような感じで今日は終わりにしましょう。ちょっと長く書きすぎましたね。

それでは今日はこのあたりで、次回をお楽しみに。