TSGホッフェンハイムとの一戦を間近に控え、アイントラハト・フランクフルトにおける最も熱い話題といえば、この夏に移籍したルカ・ヨヴィッチ、そしてセバスチャン・ハーラーの穴埋めをいかに図っていくかということだろう。これまではまだ、フランクフルトではデジャン・ヨヴェリッチのみの補強に留まっているところだが、しかしそこに中盤から得点力をもった選手が起用されることになるかもしれない。まさに思いがけない形で浮上した選手、鎌田大地だ。

 いまやフランクフルト期待の若手選手といえば、デジャン・ヨヴェリッチと鎌田大地。昨シーズンではベルギー1部シントトロイデンへとレンタル移籍していた同選手は、復帰したこの夏ではここまで、公式戦5試合で出場し納得させるパフォーマンスを披露。ただ確かにこれから迎えるブンデスリーガでの戦いは、これまでのEL予選やドイツ杯の相手とは次元が違うが、それでもアディ・ヒュッター監督は「大地はやれる。そう私は確信しているよ。ホッフェンハイム戦であっても、きっと実証してみせてくれるだろう」とコメント。確かにまだ100%全てがうまく機能しているわけではないものの、「私が見ているのは、彼がボールをもった時だけではない。うまく体を入れることができる場面も見受けられている。もちろんブンデスリーガにおける対人戦のレベルは別物だ。しかしうまく対応するだろう。大地が今年、非常に良い成長を遂げる。私はそう確信しているよ」と語った。

 ダブルボランチの前に位置するトップ下でプレー可能な鎌田だが、ヒュッター監督は23歳のMFをセカンドトップとして起用する可能性もあり、スピードとテクニックに長けた、両足を操り、視野の広さももった攻撃的プレイヤーは、おそらくこの試合でも先発メンバーに名を連ねていることだろう。

 そして2トップではアンテ・レビッチ、ゴンサロ・パシエンシアが起用されるはずだ。それでも昨季に誇った決定力の大部分は失われた状態にあり、「まだ私が考えているところまではこれていない。ただそれは2人のトップFWを失ってしまったというのもある。ただそれでも、うちには試合を決められる選手はいるとも確信しているがね」と強調。その一方で、ここまで唯一のFWの補強であるヨヴェリッチについては、過度な期待への警鐘を鳴らしている。「我々は非常に辛抱強くやっていかなくてはならないだろう。ヨヴィッチと比較したってしょうがない。彼には時間をしっかりと与えていく」

 そしてELプレーオフのシュトラスブール戦初戦までには、さらなるFWの補強が見込まれているところ。しかしながらレビッチがこのまま残留となれば、おそらくそれが最後のFWの補強ということにもなるようだ。「2FWを取ることはしない」と語った指揮官は「4人の良いFWが入れば、十分に満足だ」と言葉を続けた。それはヨヴェリッチのようなFWの成長を止めないためにも重要なことだろう。