『JKエレジー』に主演した希代彩

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 女優の希代彩が9日、テアトル新宿で行われた映画『JKエレジー』の初日舞台あいさつに出席、初主演を務めた本作への思いを語った。この日は共演者の芋生悠、小室ゆら、森本のぶ、前原滉、山本剛史、阿部亮平、川瀬陽太、そして松上元太監督も来場したほか、欠席していたカズオ役の猪野広樹がビデオメッセージを寄せるひと幕もあった。

 本作の主人公・高校3年生の梅田ココア(希代)は成績優秀だが家が貧しく、家族も大人たちも助けてくれない毎日に閉塞感を抱き、そこを打破しようとする。希代は本作が映画初出演にして初主演。「この映画を撮ったのは2年前なんですけど『ミスiD』をやっていて。大学を辞めてモラトリアムの延長にいたんで覚悟もなかった」と切り出した希代は、「そんなプヨプヨな一般人が映画をやりますということで『うわぁ!』と思いましたけど、監督と一緒に戦っていこうかなというのはきちんと出せたかなと。この2年間くらい何度仕事を辞めようかと思いましたけど、この映画の上映があるからと思い、ここまで頑張ってきました」と振り返った。

 そんな希代に対して松上監督は「最初のキャスティングの時から彼女の演技がないと成立しないなと思っていました。だから心中するくらいの気持ちでやるからねと言いました。それは重い言葉だったかもしれませんけど、本当にそれくらいの気持ちでやったので、本当にこの日を迎えられて良かったです」としみじみ。「基本的には梅田ココアの話なので、出番が毎日あって。キャリアがほとんどない中でそれは大変だっただろうなと思います。プレッシャーはあったと思いますけど、最後までやってくれたと思います」とねぎらうと、希代は「楽しかったです。日数が少なくて暑い中で頑張っているのはまわりの俳優さんもスタッフさんもそうだったので。毎日笑顔であいさつしようとしていました」と振り返った。その後、松上監督からサプライズで花束を贈られると、うっすらと涙を浮かべるひと幕もあった。

 また、カズオ役の猪野は残念ながらこの日は欠席となったが、代わりにビデオメッセージが寄せられた。そこで「僕にとって日を増すごとに大切になっている作品。あの頃の経験が生きているなと感じます。短い撮影期間でしたが、チームワークで協力しながら作れたことを喜ばしく思っています」と誇らしげな顔で語った。そんな彼のビデオレターを見た松上監督は「今回は走るシーンが多くて。普通の人なら無理じゃないかというくらいすごいダッシュを相当走らせてしまった。彼はゼエゼエ言っていたけど、最後まで弱音を吐かずにいたのに感心しましたし、すごいなと思いました」と称賛した。(取材・文:壬生智裕)

映画『JKエレジー』はテアトル新宿ほかにてレイトショー公開中